2018.09.04 代表ブログ

1秒でも早く考えておかないといけない「働き方改革」で到達するかなり残酷な未来と日本は本当に生産性が低いのか?そしてワークライフバランスの先。

働き方改革の時代に次の3年〜5年を見越した動き方はどういったものか、サービシンクの社内で伝えている仕事との関わり方について

東京のWeb制作・ホームページ制作・システム開発会社サービシンクの代表、名村です。

先日サービシンクで半年に一回開催している総会の事を「私たちが半年に一回「全社総会」に6時間も費やしている理由」というブログで書いたところ、結構な「いいね」をいただきました。

その「総会」で2017年の夏ごろから名村から社内のメンバーに伝えている話に「働き方改革」の話があります。

今日は「仕事」について、名村が考えていることで、少なくとも総会で、

「今後きっとこうなるからみんなが○○を目指して動いておかないと大変なことになるよ」

とメンバーに伝えている話をしたいと思います。

「日本一働きたい会社」を目指す上で進む方向をメンバーの伝えていきたい

これはサービシンクは「日本一働きたい会社」を目指していますが、その過程の中で特に「成長」をキードライバーにおいています。(「日本一働きたい会社」についてはまた後日書きます)
それを目指すのであれば「どういった方向」で成長していかなければならないのか?といった指針が必要です。

その時、例えばマークアップエンジニアだったら「これからlonicでアプリ開発ができる部分を調べておく」とか「プログレッシブウェブアプリがこれからできるようになっておくほうが良さそう」というようなスキルの話ではありません。(すみません、名村が元々フロント系の現場あがりなのでこういったスキルの話も好きなので・・・)

そういった目の前のスキルの話ではなくて、世の中に流れている「微差」から、その先に来る未来=大差をできるだけ予知して、それに備えていこう、という観点から「どういった仕事感を持って仕事に望むべきか?」という部分を伝えています。

微差を感じ取る

この「微差をいかにして汲み取ることができるか?」というのはビジネススキルとしては極めて重要だと思っています。

更に仕事感、ということで言えば、今話題の「働き方改革」。
これに言及しないわけには行きません。

さらに出てくるキーワードは「ワークライフバランス」です。このワークライフバランスという考え方自体、最近では「古い」といわれ始めています。「ワークライフバランス」という言葉が出てきて「ワークとライフを分けよう」としたところ、弊害が出てきた、という訳です。

では「今後の働き方」とはどういったものなのか?それに見合うスキルは何か?という話を書かせていただきます。

今日のアジェンダ

  • 「働き方改革」が見越す未来はこれまでの日本人にはかなり厳しく残酷な世界になると思う
  • 「働き方改革」時代は一人ひとりが「自分で戦える」力を身につけなければならない
  • 日本は生産性が低い、というのは本当なのだろうか?
  • 強い人は「弱肉強食」ではなく「適者生存」と数年単位での考え方のパラダイムシフトの必要性
  • 名村が予想する「働き方改革」の未来は「ゆとり教育」と同じなのでは?感
  • 「ワークライフバランス」に変わる「ワークライフインテグレーション」

「働き方改革」から垣間見える未来はこれまでの日本人にはかなり厳しく残酷な世界になると思う

「働き方改革」が言葉として世に出てきてもうしばらく経ちます。「ブラック企業」という言葉も一周回って最近はニュースでも騒がれなくなって久しくなりました。

確かに過去の日本では「過労死」が出るぐらい働いていたといえますし、それがインターネットの登場によって大きく顕在化した結果、社会が動いた・・・という流れだと思います。

そんな中で最近ニュースとして出ているのは「残業しないし成果も出さない社員が急増中」「勘違いワークライフバランスの悲劇」といったタイトルの記事です。

ワークライフバランス

それらの記事で書かれているのは、

勘違いワークライフバランス
「働き方改革」や「ワークライフバランス」「時短」「生産性」……という言葉を、正しく理解せずに口にしている人がとても多くなっており、企業の現場では混乱が起きています。こういった時代のキーワードが流行することで、いつの時代も犠牲になるのは成果にコミットしている現場の責任者です。

なぜ混乱が起きているのか。いろいろな理由がありますが、まず、これらのキーワードを正しく理解せず、単に働く時間を短くできる権利がもらえたと勘違いしている社員が急増していることも事実。何事も順序が大事です。権利を得るにはまず、責任を果たすことが重要だと知りましょう。

「時間単位」ではなく「成果単位」の意味
「時間単位」ではなく「成果単位」で労働を考えていこうという考えが政府の後押しもあって広まりつつあります。この「時間」と「成果」とは、労働を考えるうえで非常に重要な切り口となります。このケースでも重要なのは順序。必ず「成果」から物事を考えます。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yokoyamanobuhiro/20180829-00094853/ より抜粋)

といった内容が一例としてありました。

サービシンクは「働き方改革」が生まれる直前、ブラック企業という言葉が盛んにでてきた2010年に起業をしています。

そもそも名村がこの仕事を始めたのは1996年、当時大学生をしながら起業しており(当時は大学の友人と名村が代表の個人事業主形態で仕事をしていましたが)、その時代の感覚としては「長く働くこと」が「悪」といわれるようになるとは思ってもいませんでした(笑)

といえ、それでは今の時代では通りません。

さらにサービシンクで残業ゼロか?といわれると、1人が1ヶ月、平均22時間ぐらいの残業はしています。(もちろん残業代は支払われています。)

そんな中、「働き方改革」からの世相を見ていると、それまでの日本人の働き方からすると、大きな乖離がある仕組みに思えてなりません。

  • 残業は悪であり、残業をするべきではない
  • リモートワークをする上で、四六時中Webカメラで働いている様子を見るようにするのはナンセンスだ
  • 通勤時間にあんなに人が集中するのに、その時間に通勤をさせるのは生産性が下がるだけだ

といった話です。

これら僕も何も間違えているとは思いません。
そして国の施策としても程度の差はあれ、これらを肯定する流れになっています。

労働者の働き方を改革して、ムリ・ムダを省き、休みもしっかり取れるようにして、生産性をあげよう、ということです。

ただ・・・ただですよ・・・これ・・・すごい残酷なことをいっているということにみんな気づいているのか?ということなんです。

今日の結論をいってしまいますが、これは、

労働している時間は見ない、働き方も見ない、だから「頑張ってる」とか「努力した」といった過程・経過も一切評価しないし、結果しか見ませんよ。

といっているのと同義です。

「働き方改革」の一番のキモになっているのは「評価軸を成果主義にする」ことです。

成長曲線のグラフ

徐々に世の中が変わってきている最中なので気が付きにくいのですが、今の「働き方改革」が目指す未来は「結果を定量で測れる『結果』でしかみないので、途中の過程での努力とか頑張ったとか苦労したとか定性的な指標はバッサリ無視します」ということになるはずです。

先程例に上げた働き方に対しての声には、

  • 残業は悪であり、残業をするべきではない
    →残業しなくていいから、定時の時間の中で結果だして
  • リモートワークをする上で、四六時中Webカメラで働いている様子を見るようにするのはナンセンスだ
    →四六時中監視なんかしないから、いわれた期日までに絶対仕事は終わらせて。途中で何をしているのか見ないのだから、結果でしか何をしていたかは分からない。
  • 通勤時間にあんなに人が集中するのに、その時間に通勤をさせるのは生産性が下がるだけだ
    →通勤しなくてもいいし、その分生産性あがるならリモートワークでいいよ。

少し上で紹介している引用記事にもありますが「単に働く時間を短くできる権利がもらえたと勘違いしている社員」が本当にいるのだとしたら、その人たちがいう話は、すべてこういった「結果だして」という話に帰結してしまいます

それを考えると、良し悪しは別としても「出社したら給料がもらえた」という方が、これまでの働き方としてはむしろ「優しかった」「甘かった」のではないか?とすら思えてきます。

私は個人的にはこれは「いや」なんです。
やっぱり過程の「努力」や「苦労」ってのも一定は評価をしたいと「今はまだ」思っています。それを全く無視する・・・というのはまだ代表として腑に落ちていません。

ただ、会社の競争力や全員の成長を考えた時、「数字で評価」は「売上・粗利」という数字がひも付きやすいディレクター職はまだ分かります。しかし「売上・粗利」といった数字と結果が紐付けづらい「マークアップエンジニア」、「デザイナ」、「システムエンジニア」を対象としても導入せねばなりません。これをどの点で折り合いをつけるか……ということで始終頭を悩ませているのが正直なところです。

「働き方改革」時代は、一人ひとりが「自分で戦える」力を身につけなければならない

いっその事評価制度を「数字しか見ません」という風にできれば、評価者としてはある意味楽です。

ですが、現在日本はその過渡期です。名村の感覚では特にWebのクリエイター職の人間は「数字で評価される」ことに慣れていません。

それゆえ「数字で評価」ということに嫌悪感を抱く人も多いと思います。かくいう名村も以前に勤めていた会社ではフロント系フルスタックのWebディレクターだったので、数字だけで評価されることには違和感を感じていました。

しかしこれがタイトルで書いている「残酷な未来」なのですが「働き方改革」という錦の御旗の元、この動きは既に進んでいます。
恐らく間違いなく我々労働者は「数字でしか判断されない未来」がくると名村は予想しています。

ましてやWebの仕事は特にAIに取って代わられやすい仕事だと感じています。
一般に言われるホワイトカラーの仕事の方がAIには取って代わられやすい、といわれている、まさにその通りです。

人工知能が人の仕事を大きく変えていく
2045年に訪れる「シンギュラリティ(技術的特異点)」の話題を出すまでもなく、AIの進化は仕事のみならず世界の価値観を変えてくるはずです。

その時、我々労働者はどうしたらいいのでしょうか?
「今から」動き出さなければならないのです。

自らを鍛えていかなければならない

もっと言えば、時代の中にある「微差」を読み取って、自分がどういった手を打っておかなければならないのか?を先読みし、5年後に今の全く違う評価基準の時代になったとしても「戦える力」を身につけなければなりません。

それは皆さんにとって何でしょうか?
一つの答えは「情報量」だと名村は考えています。

名村が学生時代から「毎月10冊新しい本を読む」ということだけは愚直に続けています。ジャンルもバラバラ、新書もあればハードカバーの本もあります(雑誌と漫画は除いています)。

この読書量が「一定量」を超えてきた時点で、色々な本に書かれている普遍的な部分というか根本的な部分が多少見えてくるようになりました。

読書を続ける

すると世の中の多くセオリーが普遍的に流れる根本原理の「応用」や「亜流」だったりすることが分かってきます。

それが見えてくると目の前にぶつかる多くのことの根底は同じなので、初見であっても「何となく分かること」になり、結果周りから見れば「応用力がある」と映るのかもしれません。

これからの見据え「戦える力」を身に着け、これからの仕事を考えた時、私自身や弊社がおこなう仕事がそもそも「Web」ではない、という結論を出すこともあるかも知れません。

たかだか20年ちょっとのこのWebの仕事は、思っているよりも早く衰退してしまうのではないか?という可能性すら感じています。

前段でお伝えした「過程」「頑張った」「努力」「苦労」が全く評価されない時代に突入するからこそ、「自分はこれから何の武器で闘っていくのか?」を考えなければなりません。

この時大事なのは「戦う相手」は自社の人だけありません。
周りの同業者全員が競争相手となってくる感覚をいち早く持つべきです。

もしかしたら5年後には「社員」という枠組みすら変わってきてしまう可能性もあるでしょう。
その時代は名村にはまだ見えていないのですが、少なくとも社内で「あいつよりは俺はできる」というような価値感ではだめになってくると思います。

社外の人を含めて目標とする、という観点は、名村が以前からプライベートで書いているブログの「Webディレクターとして日々成長して精進するために名村が考えている「先輩と目標」」でも言及していますのでもしよろしければご覧ください。

日本は生産性が低い、というのは本当なのだろうか?

常々思っていることなのですが、日本は本当に「生産性が低い」のでしょうか?
これだけ勤勉な国の人が「生産性が低い」というのはどうにも信じられないのです。

これは、半分は本当で半分はウソだと名村は考えています。

半分の「本当」と思える理由は、Apple, Google, Facebook, Amazon(AGFA)のような「ITを使った超絶利益率の高い企業」が日本には少なく、労働集約のビジネスモデルが多い、ということがあります。
それらに比べると確かに「生産性」は悪いでしょう。

その生産性を上げるために国は「働き方改革」によって働く人の環境を変えようと考えた訳です。

  1. 日本は労働時間が長いのが問題だ。
  2. だから労働時間を長くしない方針を取ろう。
  3. でもそれをしたら今までの「残業時間を前提としていたGNP(国民総生産)が下がる」
  4. それではだめなので「成果主義」にして「短時間でも前と同じ結果を出してもらう」ような方針にしよう。

これが今の流れです。

働き方改革での業務改善

ただ半分ウソだと私が感じている部分は、日本人は、自国内でも他国相手にも色んな意味で自分の「生産性を安売り」をしているということです。
これは今に始まった話ではなくて、きっとこれも「日本人の気質」の問題です。

そもそも日本人はどういう訳か「お金を稼ぐことに対して罪悪感を感じる」人が多い人種です。
そして最近「とんかつ屋の悲劇」という話題で、この「生産性の安売り」問題が浮上しています。

「とんかつ屋の悲劇」とは、

  • 都内の人気のとんかつ店が、ここしばらくで閉店が続いている。
  • そういった店は普通に儲けを考えたら1,000円〜1,500円といった価格のはずが600円〜800円ぐらいでだしている。
  • 1,000円〜1,500円のクオリティを600円〜800円で出しているのだから「うまくて安い」のだから「人気になる」のはある意味当たり
  • その価格で出せている理由は「減価償却の終わった古い設備、ローンを払い終えた自社店舗、そして年金をもらいながら夫婦で切り盛りしている」から
  • 老朽化した店舗で、オーナー自身が儲ける事を考えていない価格設定。(味ももちろんあるが)その価格設定にお客さんがついている部分が多分にあるので、後継者がその店を引き継ぎたいとは思わないので、閉店するしかない
  • (「とんかつ屋の悲劇 ~ 行列ができる人気店がなぜ廃業するのか」https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20180827-00094583/ より抜粋)

というものです。

これは日本人の気質による「生産性の安売り」の最たる例の一つだと感じました。

この状態に至るには長い時間がかかっています。バブル崩壊からゆっくり時間をかけ、

  1. 給与が上がらない
  2. 可処分所得が減る
  3. 生活にかけられる費用を下げるしかない
  4. 安いものしか買えない・買わない
  5. モノは安くなければ売れない

というスパイラルになっている訳です。
それ以前から元々「お金を稼ぐことに対して罪悪感を感じる」ことの裏返しとして「いいものをより安く」の文化でした。

私の学生時代(1995年〜1999年)には、吉野家の牛丼は並盛りが400円で、当時でも「すごい高い」とは思いませんでした。

ですので、吉野家VS松屋の牛丼安売り戦争時代に、並盛り230円になったのをみて「だ、大丈夫なのだろうか、これは……」「400円で出していたものを何を削ったら230円になるのか?」と真剣に思っていました。

これを見た方には、

「いやいや、元々400円が利益を取りすぎていて、実際は230円でも利益が出せるんだから、そもそもの価格設定が高すぎたんですよ」

という方がいると思います。

これは「消費者からみた費用対効果が230円ぐらいが妥当である」ということです。

価格と価値をどのように判断するか?

「利益」のとり方は企業の考え方なので、なんとも言えないのですが、その「利益を取りすぎなんですよ」という話がでることが、日本全体の生産性を下げているのではないか?と思うのです。

利益を取りすぎ」とい考え方は少なからず「そんなにお客から利益を取るべきではない、そんなのは金の亡者のすることだ」「適正な費用対効果はもっと安くあるべきだ」という考えです。

商売だから「少しでも安く」というのは売り手側としても買い手側としても分かります。名村も元々関西人ですから「ええもの安く」という感覚はむしろ馴染みがあります。

ですが、これは「日本国内だけで市場が回っていたとき」には良かったのかもしれませんが、「海外と仕事をする」となると全く話が変わってきます

「いいものを適正価格で」という日本人が海外の人と戦うと、

「日本人は安くしないとこちらが買わないと勝手に思い込んで、ちょっと困った顔したらどんどん値下げをしてくれる」

となるのです。

別にこれはWebの仕事だけではないですし、グローバル展開している企業だけの話でもありません。
製品の原材料の輸入で日本が外国と商売上の設定すべてです。

今の60才〜30才代の日本人は「交渉」「討論(ディベート)」を学校教育で習っていませんし、そもそも日本は「空気を読む」「相手の気持ちを汲み取る」文化でしたので、交渉で意図をしっかり伝えることが苦手です。

その結果、何十年もかけて「生産性を安売りする」気質になり、自分達の本来の生産性を「必要以上に」安くしないと買ってもらえない、という流れになっているのが今なのではないか、と思うのです。

この気質を日本の全企業、全ビジネスパーソンが変えていかなければ、どれだけ「労働時間における生産性」を上げても結局は労働集約の部分に戻ってくるので、限界がすぐにくるのは当然です。
ですので「働き方改革」の結果として現場からの声が、

  • 1日の平均残業2〜3時間で、合計10時間ぐらいで回していた仕事を8時間でやれってムリ
  • 生産性を上げろ、というのは分かるけど残業するなってムリがない?

という話になるのはある意味当然です。

強い人は「弱肉強食」ではなく「適者生存」であることと、数年単位での考え方のパラダイムシフトの必要性

これからの時代にのビジネスパーソンとして生き残っていくためには「適者生存」であることを強く考えないといけません。
世間で「長い労働時間が悪だ」という考え方が広まっていますが、それに単純に染まっていては5年後にビジネスパーソンとしての居場所がなくなると思います。

日本はセーフティーネットがあるとはいっても資本主義で競争社会なので「仕事ができるようになった人=結果が出せるようになった人」が勝ってしまいます。

仮に、ある会社に新卒一年目のA君、B君の2名いました。
彼らは能力的にはほぼ同じエンジニアでした。

しかしA君は帰宅してからセミナーに行ったり、Web研修を自費で受けたりして「就業時間外に勉強」をして能力を上げていました。
片やもう一人のB君は「就業時間後はプライベートの時間」ということで趣味に費やしていました。

一年経ってA君の方が、やらせてもらえる仕事も増え、給与も上がりました。

プログラミングの勉強

この時、B君がA君に対して「仕事の後に勉強とかしてるの、卑怯だよ」といったとして、そんな話が通るでしょうか?

当然ながら通りません。

A君は「プログラムを書くことが好きだから」「会社での業務はやるけど、この先の事を考えて」といったことから行動しただけで、就業時間外については彼の自由です。
結果として「先(さき)んじた」だけです。

仮に別のC君がA君よりもっと勉強をし、より良い結果をだしていたら、A君は「勉強はしていたけど、後塵を拝していた」でしょう。
ここで難しいのは「結果がでる努力を人よりもしていなければならない」ということです。

名村も今でこそHTMLやPHPを書いたりしませんが、それでも年に何回かはハンズオンの実制作のセミナーを受講しています。
これは「周りに置いていかれないため」で、自分の価値を下げないためです。

就業時間中でも時間外でもいいのですが、先を見据えて自己研鑽に時間を費やせていた人が3年〜5年後に生き残れる人になる気がします。

そもそも、常に生き残っている人、その時代時代でとても活躍できている人は、3年〜5年後ぐらいを先読みして動いている人だということに最近気がついてきました。

強いから生き残るのではなくて、環境に適したから生き残る、ということです。
では今の「環境」とは何でしょうか。

働き方に対して、ものすごく多くの価値観が生まれている混沌の過渡期だと思います。
この「価値観が大きく変わろうとしている過渡期」という環境であることをまず受け入れます。
そして、「今の世相での常識」「今の世論での正義」や「これまでは○○だった」ということに対しゼロベースで「それ違うんじゃない?」「そのままそれに流されたらまずいのでは?」という感覚のもとに、自分で自身の考え方を変化(パラダイムシフト)させて、行動を起こすことです。

そのが「適者生存」として生き残っていく道になってくると感じています。

名村が予想する「働き方改革」の未来は「ゆとり教育」と同じなのでは?感

この「働き方改革」については、名村は色々な所でいっていますが「このままでは上手くいかなくなる」と考えています。
「成果主義」の導入に対して、企業側は旧来の日本の雇用形態を守り続けざるを得ません。

例えばひとつの側面ですが、海外で成果主義が普通の国では「成果が出なかったので、評価時期にクビになる」ことは容認されます。
しかし日本ではどうでしょうか。恐らくそんな事をすれば大問題になってきます。

逆にいえば、これまでの日本では、動労時間が長くてもがむしゃらにやっていれば国自体が発展していたので、対価は払えていました。

しかし海外との競争力が落ちてきている中で生産性が低下してきて、カンフル剤のように「働き方改革」で「成果主義」が導入されることによって「オフィスに在社だけでは対価を支払わない」流れになってきています。

そうなってくると恐らく極論では二択で、

  • 主体性をもって結果を出す人が生き残れる
  • 主体性をもてず結果を出すことが苦手な人を会社がクビにできるようになってしまう

という風になってしまうのではないか・・・とものすごく危惧しています。

ここで問題なのは「主体性がなくて、手を上げて仕事を取りに行くのが苦手なタイプ」「言われたことを粛々とこなしていくけど精度がすごく高い」人たちがないがしろにされることです。

要は「働き方改革」の次のシナリオとして想定しているのは「成果主義が欧米の価値基準に近くなるのだから、雇用形態についても欧米風にしていこう」ということです。実際には労働基準法の大幅な改正になってくるので、すぐにはならないと思います。ですが、確実にそうなるのではないか・・・と思っています。

しかしそれができない……となったらどうなるのか?

「働き方改革、色々やったけどやっぱりナシ!」ということで、ゆとり教育のように、無理やり成果主義を入れていた事をなかったことにする・・・という未来も考えられます。

その時今回大変なのは、日本自体の競争力向上への失われた○年間・・・という時代が訪れます。
これからの時代にこの遅れは海外の諸外国と圧倒的な差として開いてしまうはずです。

さて、これは名村の考えている妄想、しかも極論の一つです。絶対にこうなるよ、だから・・・という話ではありません。

ですが、名村はディレクションにおいて「クリティカルシンキング」を常としています。(「クリティカルシンキング」の話は2018年8月4日に名古屋で開催したWCAN2018「クライアントに採用してもらう為、企画作りに込めるモノ」のセミナーで話をさせていただきました。再演受け付けております)

「このまま進んだ時の最悪のシナリオは・・・」という事を想定するようにしています。

何がこれからおこるのか?考え続ける

それを思うとサービシンクにいるメンバーには、名村がいっている話は年寄りの小言や説教、価値観の押し付けと映るでしょう。一見無茶な事やストイックな事をいっていると思います。しかし3年後、5年後を考え「成長をし、市場価値が高くなり、サービシンクの社名を背負ってお客様から、サービシンクが考える適正価格で仕事をうけることができる」ための話をするのが代表の仕事です。

一方で「完全成果主義」の導入もまだ早いと考えています。
本当の意味で「働き方改革」を企業単位のマイクロな部分からしていく必要があると思っています。

マスコミの作った報道の結果、日本で「残業」は諸悪の根源のように言われています。

最近(2018年9月4日記述時点)「残業」で同じく話題に上がっているのがドイツの働き方です。

確かにドイツの労働法では「管理職以外の「①1日の労働時間は10時間を越えないこと、かつ②6ヵ月ないし24週平均して1日あたり8時間を越えないこと(JETRO)」と法律で定められています。その法律の話をうけてか、「ドイツでは残業がないらしい」とまことしやかに言われています。

ですが、現地の方々から、

  • ドイツはEUのなかでも残業が多い国として知られている。
  • インターン生でありながらしょっちゅう残業をしていましたし、残業のせいで飲み会に遅れてくる友人だっています。
  • BAuA(Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin)の統計では、フルタイム勤務者は平均して週43.5時間働いていることになっています。
  • さらに内訳を見ると週に48時間から59時間働いている人が13%、60時間以上が4%となっているので、単純計算でだいたい5人に1人は週48時間以上働いていることになります。

といった話が上がってきます。(「『ドイツ人は残業しない』説の大いなる誤解 みんなが休暇1カ月取っても回る本当の意味」https://toyokeizai.net/articles/-/233538 より抜粋)

この手の記事は今やいっぱい出てきます。

つまり残業環境は、日本だけがものすごく悪いわけではなく、諸外国でも成果主義の中で残業は発生しているということです。

ただ、日本と違って「残業をめっちゃして仕事は期日までに終わらせたので、明日は余裕ができたので午前は休む」といったことが行われてもいます。

この「バランス」が日本の働き方でも上手く取れればベストなのですが、仕事によっては自分達だけで決められない、ということが問題です。この「真因」部分をどのように解決するのか?が一番難しい部分です。

難しくしている要因の一つが先程URLを記載したサイトにあったのですが、

誰かが休暇を取れば、仕事は滞ります。バカンスに最適な夏はとくに、オフィスがガラガラになります。この前なんて、税務署に行ったら租税条約の担当者と確定申告の担当者が両方休暇中で、その後に行った歯医者もまた休暇で閉まっていて、処方箋をもらおうとホームドクターのところへ行ったら、彼女もまた休暇中でした。ちなみに、たまに行くカフェもお休みだったし、駅に入っている安いアジアンレストランも閉まっていました。

「みんな休暇が取れていいじゃないか」というのは、あくまで自分が休暇を取る側の話です。仕事を依頼した側、ユーザー側に立ってみましょう。バカンスのせいで全然仕事が回っておらず、手続きがなにも進まない。担当主義なので、「それは担当者じゃないとわからない。担当者が帰ってくるのは1カ月後」と言われる。これが、「休暇が取れるドイツの姿」なのです。
「みんなが休暇を取っても仕事が回っている」なんて大真面目に言う人がいますが、ちょっと考えてみればいろんな弊害があることを想像できると思います。

もし日本で同じことをしたら、「いいから担当者を出せ」と電話口で怒鳴り散らすお客が現れて慌てて休暇中の人に連絡を取り、休日出勤になるかもしれません。SNSで名指し批判され「やっぱり休むことは悪いことなんだ」という空気になることだって考えられます。

ドイツでそういうことが起こらないのは、客を含めたみんなが「お互い様」だと諦めている、割り切っているからにすぎません。自分が休む権利を行使するからこそ、他人が休んでいることに理解を示す。それだけであって、休暇を取る人ばかりでも問題なく、いつもと同じように仕事が進むなんてことはないのです。いてもいなくてもいいような人であれば、企業はその人を雇う意味がないのですから。

上記の「もし日本で同じことをしたら」という部分が示唆に富んでいます。

きっと一部では起こるのではないでしょうか。これれが「役所」であったなら「役所なのに人がいなくてこんなに待たされるなんてどうかしている」とうような反応があってもおかしくないでしょう。

しかし、それは「自分の仕事でも同じこといわれる」という観点が抜けています。

  • サービスを受ける個人の不利益は、提供企業が悪い
  • サービスを提供する企業の中の個々人は、労働者としての権利を主張して、サービスを受ける方(=自分達の給与源泉を提供する方)への不利益は気にしない

という構図はなかなか変わらないとは思いますが、気質としての「空気を読む」「相手の気持ちを汲み取る」という良い面を、いうべき事を言う権利を主張する代わり負っている義務を果たす・・・ということのバランスを取れるようになっていくのが今後の日本として求められている部分なのではないでしょうか。

「ワークライフバランス」に変わる「ワークライフインテグレーション」

「働き方改革」にとって「ワークライフバランス」は素晴らしい言葉のように思えました。しかし「ワーク」と「ライフ(プライベート)」を分けて考える、こと自体に限界があったようです。

結果として最近動き始めているのは「ワークライフインテグレーション」という考え方。

ワークラーフインテグレーションとは、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)を別のものと分けて考えるのではなく、人生の構成要素としてあえて境界線を設けず柔軟、かつ統合的にとらえることで、双方の充実を求める働き方のこと
https://bizhint.jp/keyword/100838 より抜粋)

言葉そのものと、それが日本で流行した経緯は上記のサイトにも記載があるのですが、平成19年に内閣府が発表した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」において、国としては「ワークラーフインテグレーション」的な意味で定義をしていたのに、言葉として「ワークライフバランス」を使ってしまい、その単語の意味から意図がずれて広まっていました。

ワークライフバランスとなると「ワークとライフのバランスを取る」話なので、ワークが増えるとライフを削っている・・・という意識になっていきます。
しかし実際には今の時代に仕事とプライベートをきっぱり切り分けること自体が難しいのではないでしょうか。

 

そもそも仕事をしている人にとって、人生の結構な時間を費やしている仕事が充実していなくて、人生が充実している・・・といえるのか?という観点もあります。

特にIT系であれば、今やオフィスにいなくてもある程度の仕事をおこなうことが可能になってきています。

こと「働き方」では欧米の「見栄えのいい」例がよく引き合いに出ますが、実際はどうでしょうか?

調査によると、

  • 2017のGallup社によるアメリカの国内調査によると、43%の人がオフィス外でも仕事をしているという結果。日本と比べ残業が少ないのに、労働時間はアメリカの方が多いのはこれが理由かもしれない。
  • アメリカで働く人の実に91%は休暇中でもメールなどで仕事の連絡が取れる状態であると答えている。

ようです。

これらはワークライフバランスにおける「仕事は仕事、プライベートはプライベートをはっきり分ける」という感覚とは少し違うような気がします。「仕事とプライベートで調和を取って融和させる」事を目指しているようです。

もちろん別にこういった話のときにでる「会社での飲み会は仕事なのかプライベートなのか」みたいな話はまた別だと思います。
昔の言葉言えば「無礼講の飲み会」が「本当に無礼講」なっていれば、ワークライフインテグレーションな状態・・・なのではないでしょうか?(笑)

サービシンクではまだまだ「ワークライフインテグレーション」の働き方支援ができる仕組みを作れているわけではありません。

ですが、サービシンクでの「坐禅研修」などの制度を取り入れているのは、「日本一働きたい会社」を目指し、仕事をしていることが人生にとって意味のある活動の場となってもらいたい、という想いからでした。

今回は今後のビジネスパーソンとして行きていく上で、きっと目を背けていればみなくても済むかもしれないけど、きっといつか眼の前で逃げられくなる事態になるであろう日本の「働き方改革」について書かせていただきました。

しかし「一番厳しい状態になったとしてどうなのか?」ということが想定されていれば対策は立てられます。

対策を立てる話や、対策への支援などはサービシンクとしてしっかりおこなっていきたいと思っています。
もし今後サービシンクで働いてみたい、と思う方々には、私が考えているサービシンクの働き方のスタンスとして参考にしていただければと思います。


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