- 空間の特定位置にウィンドウを固定して表示する。
- 設計の前提はVR/MRヘッドセットによる室内での没入体験。
- 表示位置が視野から外れると再操作や再配置が必要になる。
これらの特徴は、ゲームや映像など「その場にとどまって利用する体験」に最適化された設計といえます。しかし、情報を随時確認したり、移動しながら参照したりするような「日常的なWeb利用」においては、体験の連続性を分断する要因にもなります。
パソコンからスマートフォンへとプラットフォームが移行した際にUI/UXの最適化が必要だったように、XR時代にも「空間でのブラウジング」に最適化された新しい体験が求められると考えています。
現在のXRブラウザの多くは、VRゴーグルやMRヘッドセットでの使用を前提としています。これらのデバイスは主に屋内でのゲームやエンターテインメント体験を目的としており、ブラウザを空間に固定して表示する設計が中心です。
空間に固定するブラウザは、パソコンで見るブラウザの延長といえるでしょう。しかし、いま私たちが注目しているのは、スマートフォンの次のデバイスとして期待される「XRスマートグラス」でのWeb体験です。日常のあらゆる場面で常にユーザーと共にあるモバイルデバイスに向けた、これまでのXRブラウザとは違った体験を考える必要があります。
Sphira Trackは、「ユーザーの移動に追従するブラウザ」という新しい試みによって、スマートグラス時代におけるWebブラウザの在り方を考えるための出発点です。
これらの特徴は、ゲームや映像など「その場にとどまって利用する体験」に最適化された設計といえます。しかし、情報を随時確認したり、移動しながら参照したりするような「日常的なWeb利用」においては、体験の連続性を分断する要因にもなります。
これらの検証を通じて、XR体験におけるWebを「空間に固定して見るもの」から「自分とともに動く情報」へと再定義することを目指しました。ユーザーが移動しても情報がついてくることで、よりモバイル的で連続性のあるWeb体験の可能性を探っています。
Webはいつでも・どこでも・誰でもアクセスできることを前提として発展してきました。スマートグラスの時代になっても、そのどこからでもアクセスできるという本質は変わりません。
一方で、スマートグラスというデバイスの特性を考えると、将来的に視覚情報よりも音声案内や要約表示のような「軽い情報提示」が中心になる可能性もあります。それでも、視覚的な情報が持つ強みは変わらず重要です。デバイスの性能が進化すれば、やがてWebは再び「見る」体験として空間を舞台にするはずです。
そのときに課題となるのは、操作性やブラウザとの距離感、表示の在り方です。Sphira Trackは利用者の動きに追従するという新しい形でWebを提示しましたが、実際の生活シーンでは、歩行中に情報が常に正面に現れると邪魔になる場合もあります。視界の確保のために、状況に応じてUIが透過したり、視界の端に移動したりするといった「空間的マナー」のようなものが、Webブラウザに限らず今後必要になってくるでしょう。
サービシンクは、XR時代のWeb制作に向けた研究と実践を通じて、空間コンピューティング時代のWebの在り方を構築しています。
空間上でのWeb体験やXR環境に向けたサイト・システム・アプリの構築に取り組みたい企業の皆さまは、ぜひご相談ください。
Sphira Track のアプリ開発は、ARアプリ開発に強みを持つOnePlanet社と共同で行いました。サービシンクが「スマートグラス時代のWebブラウザ」のコンセプトや検証したい体験を整理し、OnePlanet社がvisionOS上での実装と挙動の作り込みを担当しています。
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