生成AIを人事評価に役立てたい!〜2025年、秋〜
サービシンククリエイターチームマネージャーの上田です。
焼き芋の香りが漂う季節、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
なお上の画像は、記事の内容とは全く関係ありません。
さて、マネージャーのお仕事のひとつといえば? そう、人事評価です!
サービシンクのメンバーにとって、6月と12月は、人事評価の最終レビューが行われる重要な時期。
サービシンクの人事評価の最終レビューは、次の3つのステップで構成されています。
- 本人評価
- 上長からの評価
- 最終評価者からの評価
中でも「本人評価」は、自分の半年の成果を伝える大切なステップ。
レビュー内容は自社開発の人事評価システムに入力するのですが、どうやって書こうか悩んだり、ソワソワソワソワしている姿を、私は横目で微笑んで見守っています。
けれども最終レビューで振り返るのは、評価期間である半年間だけ。
しかしながら、キャリアは半年で区切れるものではなく、何年も何年も積み重ねながら成長していくものです。
だからこそ、最終レビューは、これまでのキャリアを長期的に振り返り、自分の歩みを見つめ直す機会にしてほしい……
けれどもそれを行うためには、入社以降の全ての人事評価をひとつひとつ見返す必要がある……それは(正直)めんどくさい……
そうだ! 生成AIを利用して、人事評価の長期的なサマリーを作ろう♪
これまでの最終レビューをもとに長期的なサマリーを作れば、点と点がつながり、自分の成長をより継続的に積み上げられるようになるはずだ!
……という考えの元、生成AIを人事評価に役立てる取り組みがスタートしました。
まずは要求の洗い出しだ
ま、取り組んでいるのは私一人なんですけどね。(さみしい)
今回の生成AIの利用方法は、大変簡潔です。
これまで蓄積してきた最終レビューの文章を入力し、要約と分析をしてもらうだけ。技術的な難しさはなく、いたってシンプルな仕組みです。
だからこそ重要なのは「生成AIをどう使うか」という設計の部分。
つまり、「どんなプロンプトを投げて、どんなアウトプットを求めるか?」をきちんと定義し、確実にメンバーの成長につながるようにしたいです。
まずは鼻歌気分で、ざっくりと要求を洗い出してみました。
- サマリーの表示対象者は、評価対象者本人、上長、最終評価者とする
- 本人評価・上長評価・最終評価者評価の3つをサマリー対象とする
- 上長・最終評価者は、複数人のサマリーを職種やグレード、期間などで分析できるようにする(グループごとのサマリーを表示し、成長や変化を可視化)
- 感情ベースのアウトプットはなるべく排除し、行動ベースとする
実にシンプルですが、ひとまずこれで十分。
これらをもとに要件を定義していきます。
要件定義をするのだ
今回追加する機能について、簡潔に表にまとめてみました。
| 機能追加画面名 | 追加機能名称 | 機能詳細 |
|---|---|---|
| ダッシュボード | 自己評価サマリー表示機能 | ①ログインユーザの総評をサマリー表示 ②ログインユーザの最古〜最新の人事評価シートをサマリー対象とする ③サマリーは200字程度とする |
| 人事評価シート | 評価対象者サマリー表示機能 | ①評価対象者・上長・最終評価者の総評をサマリー表示 ②評価対象者の最古〜最新の人事評価シートをサマリー対象とする ③サマリーは各200字程度とする |
| 最終レビュー分析 | グループサマリー表示機能 | ①選択された評価対象者の総評をサマリー表示 ②評価対象者は職種とグレードのAND条件で絞り込み可能 ③サマリー対象は評価対象期間の開始期、終了期を選択して指定 ④本人・上長・最終評価者ごとにサマリー表示 ⑤サマリーは各200字程度とする |
利用する生成AIを決定しよう
生成AIはあくまで「要約」に使うため、サービスごとの差はそれほど大きくないと考えています。
そこで今回は、ChatGPTのGPTsを採用しました。サービシンクではメンバー全員にChatGPT Teamアカウントを配布しているため、追加料金なく、GPTsを自由に作れる点が採用理由です。
また、ユーザーデータを用いた学習はデフォルトでオフになっているため、セキュリティの観点も問題なし。
プロンプトも忘れずに
そして、プロンプトを用意。
何度かChatGPTにブラッシュアップを依頼し、最終的に以下の内容に落ち着きました。
# GPTの役割
あなたは、大手企業向けに評価制度設計・配置支援を行う人事コンサルタントです。入力される評価文から、社員の1年間の成果と課題、育成ポイントを抽出し、成長促進に資する内容を記述してください。
# 評価文の文脈
この評価は、社員の「次期配置検討」および「長期的な育成計画策定」を目的としています。評価文には、①本人の所感、②直属の上司による評価、③最終評価者による総括が含まれています。
# 文体と構成ルール
・論理的かつ簡潔な文章。「〜である」調で統一すること。
・曖昧な形容詞(例:頑張っている、良い)ではなく、行動や成果で具体性を示すこと。
・主語と述語を明示すること。抽象的な指示語は避けること。
・各項目は簡潔な文章形式で出力。箇条書き不可。
# 出力すべき項目と観点
1. 当人の総評の要約(200字程度)
→ 本人の1年間の業務への姿勢、成果、成長意欲を要約。行動と意欲の両面に言及すること。
2. 直属の上司からの総評の要約(200字程度)
→ 仕事の進め方、周囲との関わり、評価ポイント、課題への言及を中心に整理。
3. 最終評価者からの総評の要約(200字程度)
→ 配置検討に関わる視点(リーダー性、将来性、全社的影響など)に着目して要約。
4. 当人が評価されている点(100字以内)
→ 他者との比較で優れている点を簡潔に記述。成果・姿勢のどちらでも可。
5. 当人が克服しなければならない点(100字以内)
→ 評価者から指摘された課題のうち、改善優先度の高いものを明示。
6. 当人が強い意志・意欲を見せている点(300字以内)
→ 本人の発言、行動、継続的な取り組み等から見える内発的動機を抽出。将来への展望を踏まえた表現とすること。
# 入力情報
これから送信する情報は、ある社員の入社以降の人事評価の総評です。
今回のポイントは「出力すべき項目と観点」の4〜6です。
単なる要約だけでは面白みに欠けるため、分析要素も盛り込んでみました。これによって、本人の意欲や課題感といった”生の部分”を浮かび上がらせ、どのような効果が出るのかを確認してみたいと思います。
さて、このプロンプトでどのような成果が得られるでしょうか?
実装は2025年10〜11月に予定しています。乞うご期待!
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