XRとWebの可能性を探る - サービシンクR&D 2024年後半
こんにちは。サービシンクの藤原です。 本日は、私たちR&D事業部が取り組んでいる活動についてお話ししたいと思います。2024年下期、私たちはAR/VR/MRといったXR技術が普及した未来を見据え、Webがどのように進化するのかを探るため、デバイスの体験やアプリ開発を通じて多角的に検証を進めています。この記事では、その取り組みや得られた知見、さらに今後の予定についてご紹介します。
未来のWeb体験を探るための挑戦
私たちのR&D事業部では、XR技術が普及した未来において、Webがどのように進化し、人々の日常やビジネスと結びつくかを模索しています。2024年5月から本格的に活動を開始し、業界の最新デバイスやアプリを体験する中で、XRの可能性と課題を深く探ってきました。現在は、これまで得た知見を基に、自分たちでも未来のWeb体験を考え検証しようと、アプリの企画・開発を進めています。
企画しているアプリのプラットフォームには『Apple Vision Pro』を選びました。これまで触れたXRデバイスの中で、Vision Proがもたらす「普段の生活の中にデジタル情報を自然に重ねる」ような体験に強く共感を覚えたからです。Vision ProはAR(拡張現実)をベースとしつつ、必要に応じてVR(仮想現実)モードにも移行できる、柔軟なプラットフォームとして注目しています。
ARとVRの違いを考えると、ARは現実空間を基盤に情報を付加するため、日常生活の延長線上で役立つ場面が多いと感じます。一方、VRは現実から切り離された没入型の仮想世界を構築するため、特にエンターテインメントや教育、シミュレーションなどで高い効果を発揮します。この違いを日常生活に例えると、ARは「スマホで情報を確認しながら日常を過ごす」ような体験、VRは「劇場で映画に没入する」ような体験に近いと言えるでしょう。
もちろん、どちらも非常に魅力的な技術ですし、それぞれの分野で独自の進化を遂げています。しかし、私たちが考える未来のWeb体験では、ARの特性である「現実空間とデジタル情報の融合」が非常に重要な要素になると考えています。
まだ開発中なのもあり企画中のアプリの内容についてはあまりお話できませんが、最初のプロトタイプは2024年内には完成する予定になっています。将来的には皆様にも体験していただき、意見を伺える機会を作りたいと思います。
イベントで未来への手がかりを探る
私たちの専門はWeb開発なので、XR技術の分野で学ぶことはまだまだ多いです。より深くより広く理解するために、様々な業界イベントに積極的に参加するようにしています。直近では2024年11月の「XR・メタバース総合展」に足を運び、業界のトレンドや新技術を体験してきました。
今回行った展示会では、多くの企業がXRやメタバースに関連する製品やサービスを紹介していました。XR技術を専門に扱う企業だけでなく、課題解決の手段としてXRを採用した企業も見られ、非常に興味深い内容でした。課題解決の手段としてXRを取り入れた企業の事例から「なぜXRを選んだのか」という理由を知るのもXRの良さを知るヒントになるでしょう。またこういったイベントでは、単にトレンドや最新情報を収集するだけでなく、XR体験の中で「情報をどのように扱っているか」という点にも注目するようにしています。情報を視覚的かつ直感的に伝える方法や、従来のツールでは解決できなかった問題に対してXRがどのようにアプローチしているかを知ることで、私たち自身のプロトタイプ開発にも役立つ気づきを得られたと思います。
XRデバイスというと頭に被るヘッドマウントディスプレイやメガネ型のスマートグラスの印象が強いかと思いますが、3Dディスプレイも年々進化しています。
ソニーのこの「空間再現ディスプレイ」はユーザーの目の位置を検出して左右の目それぞれに合わせた映像を生成するらしいです。 顔の位置をずらすと、映像もそれに合わせて切り替わります。カメラごしだと目が検出されないので3Dにならず、残念ながら写真では伝わりませんが、本当にハンバーガーが目の前の空中にあるかのような立体感で表示されていました。
Vision Proしかり、ヘッドマウントディスプレイには「メガネユーザーはメガネをどうするんだ問題」や「髪型が崩れる問題」などの課題があります。しかし空中ディスプレイではそれも気になりません。何も装備せずとも3D映像を楽しめるのには「未来」を感じますし、スマートグラスとはまた違ったXR体験として追いかけていきたいと思います。
そういえば、似たジャンルでセブンイレブンが空中ディスプレイを活用したセルフレジの実証実験をやっていたりします。 セブンイレブンのお知らせによると2024年10月27日時点で全国16店舗に設置しているそうです。 東京にも何ヶ所か対象店舗があったので、そのうちのひとつにも行ってきました。
実際に空中ディスプレイを使ったセルフレジを試してみました!
正面から見ると映像のチラつきのようなものもなく、使い心地もそんなに悪いものではありませんでした。直接触れなくていいのは感染症対策としても安心感がありますよね。ただ、空中に表示される画面をタッチしてもボタンを押したときのような感触が得られないので、きちんと押せているのかやや不安に感じられる場面もありました。
普段Vision Proを使用している時もこの問題はよく実感します。はじめは空中に触れるキーボードが出るのを見て「すごい!」と思うのですが、そのうち空中のキーボードを叩くのではなく、目線だけで一文字ずつ打つか音声入力ばかり使うようになるのは「あるある」なのではないでしょうか。 この点に関しては、机や手のひらをインターフェースにする技術のニュースを見たことがあります。まだ試したことはないので、手に入るものがあれば使ってみたいです。
来年はアメリカのイベント視察も
他には我々のR&D事業部では2024年12月に「XR Kaigi」、2025年1月に「CES 2025」への参加を予定しています。特に「CES 2025」では、新型スマートグラスの発表を予告している企業もあり、期待が高まっています。これらのイベントでは、最新技術や市場動向を直接確認し、私たちのプロトタイプに反映することを目指しています。
アメリカ・ラスベガスで行われる「CES 2025」は、最新のデバイスや技術トレンドを一堂に集めた世界最大級の展示会です。未来のXR体験を先取りするため、現地での体験を大切にしたいと思っています。
まとめ
2024年下期のR&D活動では、XR技術の未来を見据え、Vision Proを活用したプロトタイプ開発や、XR業界のイベントへの積極的な参加を通じて、未来のWeb体験を模索しています。こうした挑戦を通じて得た知見を活かし、WebとXRが融合する新たな価値を創出することを目指しています。
現在進行中のプロトタイプは、技術的な可能性を試しながら、私たち自身のWeb開発の専門性とXRの革新性を融合させるための実験場です。また、業界の最新技術や市場動向を学び続けることで、私たちのアプローチを常にアップデートし、新しい可能性を探っています。
未来のWeb体験を形にするための私たちの挑戦は始まったばかりですが、この活動がWebの新たな可能性を切り拓く一歩となることを願っています。皆さまにその成果をお届けできる日を楽しみにしています。
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