公開日: AR・VR・MR

理想のスマートグラスへ一歩、Meta Ray-Ban Displayがアメリカで販売開始!

Meta Ray-Ban Displayデザイン画像

出典:Meta

サービシンクR&Dの藤原です。Metaが新しいスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」を米国で発売しました。従来モデルのRay-Ban Metaはカメラやマイク、AIアシスタントを備えたものでしたが、今度の新製品はそこからさらに進化して、ついに「ディスプレイ」が付きました。

右目のレンズに小型ディスプレイを組み込み、通知や字幕、ナビゲーションといった情報を視界に直接重ねて表示できるようになっています。名前が「Ray-Ban Meta」から「Meta Ray-Ban Display」と、Metaが先に来るようになったのも、「カメラとAIがついてちょっと便利なアイウェア」から「MetaらしいXRデバイスの領域に近づいた」ことを印象付ける意図があるようにも感じられます。

以下が「Meta Ray-Ban Display」の代表的なスペックです。

価格 799ドル
販売地域 2025年9月30日の発売時点で米国のみ。2026年初頭にカナダ、英国、フランス、イタリアなどへ展開予定
ディスプレイ 右側のみ 600×600ピクセル / 視野角約20° / リフレッシュレート90Hz / 輝度最大5000nits
バッテリー 本体 最大6時間、充電ケース併用で最大30時間
Neural Band 最大18時間
重量 69g
カメラ 1200万画素、3倍ズーム

ディスプレイが付いたものの、これはいわゆるフルARではなく、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のようなスマートグラス。現実の空間に3Dオブジェクトを表示して楽しむようなものではなく、必要なときにだけ視界の片隅に情報を浮かべる仕組みです。Metaはこれを「日常にかけられるAIグラス」と位置づけています。

「通知を出せるだけ」に見えるが…?

レンズに映るテキストチャット

出典:Meta

正直に言えば、このデバイスでできることは限られているように見えます。大きな仮想スクリーンで映像を楽しんだり、Webサイトを閲覧することはできなさそうです。できるのは通知を出すこと、会話の文字起こしを表示すること、歩行者ナビゲーションを表示することなどです。

しかし、この「できることが少ない」という割り切りこそが重要です。
スマートグラスという製品は、普段の生活の中で「かけ続けられるかどうか」が最も大きな壁になります。複雑な機能を詰め込みすぎてバッテリーがもたなかったり、操作が面倒だったりすれば、誰も毎日つけようとは思わないでしょう。

もちろんMetaも最終的にはフルARの高機能スマートグラスの普及を目指しているのでしょうが、本製品では必要最低限の機能に絞ったからこそ、手の届きやすい価格やデザインを維持したまま「一瞬で通知を確認できる」「字幕で会話を助ける」といった場面に最適化でき、それが日常に根づく第一歩になるのではないかと思います。

「Meta Ray-Ban Display」の注目ポイント

操作まわりでは、手首の筋電(sEMG)を読む「Meta Neural Band」がこのグラスの要です。
微細な指の動きを検出してクリックやスクロール、スワイプといった基本操作ができます。以前記事にした「Mudra Link(リンク先で紹介記事を書いています)」と同じ技術ですね。

しかし驚きだったのは「Meta Neural Band」の機能で一番目を引いたのは「手書き」入力です。

会場デモやハンズオンでは、太ももなどの物理面に人差し指で文字をなぞると、そのままテキストとして認識・送信できる様子が確認されています。Metaによると、この機能は今年中にはソフトウェアアップデートで有効化する見込みとのことです。
XRデバイスでは入力方法は常にネックとなってきた部分なので、この進化には大きな期待を持っています。早く実機で試してみたいものです。

技術面では「最大5,000nits」というディスプレイの明るさが目立っています。
5000nitsという数値は、以前使用してかなり明るいと感じられたARグラスのXREAL One Proで「700nits」、グラスではありませんが、画面の明るさをアピールしているApple Watch Ultraの最新世代が「3000nits」なのを考えるとかなり際立っているのが分かります。

透過型ディスプレイなのもあり、高輝度にして直射日光下でも見えるようにというのは確かに重要ですが、同時に「そんなに明るくしてバッテリー保ちは大丈夫なのか?」という疑問も浮かびます。

この問題に対してMetaはディスプレイを「常時表示」ではなく「必要なときだけ表示する」という設計を取っています。これなら実使用では1日を通して運用できると見込まれており、スマートウォッチの通知機能に近い考え方です。

Apple Watchも何世代か前までは時計の面を表にした時だけ画面が点灯するようになっていましたが、今では常時点灯が普通になっています。ディスプレイとバッテリー効率の技術はどんどん進化していくので、スマートグラスの方も数年以内には常時点灯になっているのかと思います。

Metaの「Orion」への道のりとスマートグラス上のWeb

Metaが最終的に目指しているのは「Orion」と呼ばれるフルARグラスです。現実の空間にWebやアプリをそのまま展開し、立体的に操作できる世界。その実現にはまだ数年かかると見られています。(ですがおそらく2〜3年以内ではないでしょうか?)

Ray-Banシリーズは、その橋渡しの役割を担っていると考えられます。
まずは普通の眼鏡に近い形で受け入れてもらう。
次に、HUDの便利さを感じてもらう。
そして、最終的にフルARへと進む。この段階的なアプローチがあってこそ、普及に向けた現実的な道筋が見えてきます。

「Meta Ray-Ban Display」はまさにその「途中の段階」です。通知しか出せないように見えても、実際には「毎日かけてもらう」という習慣を作ることこそが最大の成果になるのではないかと私は考えています。

Web制作者としては、「ブラウジングができないなら関係ないのでは?」と思うかもしれません。しかし実際には、HUDに表示される通知や字幕の多くはWebやクラウドを経由して届けられています。表に出てくる形が変わるだけで、その裏側には常にWebが存在しています。だからこそ、この動きを無視することはできません。今後のWebのあり方にも直結していくテーマだと思います。

この橋渡し期間において、AR上で「Webを立体的に体験できる」と感動が広がるのか、それとも「情報はもうAIで十分」と整理されてしまうのか。Webとの関わり方がどのように変わっていくのか、これからも注目していきたいと思います。

まとめ

「Meta Ray-Ban Display」は、通知や字幕、ナビといった限られた用途に特化したHUD型のスマートグラスです。できることは少ないように見えても、「これ便利だ」と思わせる体験を積み重ねられるかどうかが、普及の分かれ道になるでしょう。

Ray-Banコラボによって「普通の眼鏡の姿」を保ちながら普及を広げ、今回ついにディスプレイを備えた。ここから「HUDの便利さ」が定着すれば、次に控えるOrionのようなフルARの世界に大きな布石となります。

日本で買えないのが残念ですが、来年2026年1月にCES2026視察のためアメリカ行く機会があるので、そこでぜひ手に入れたいと思います。

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