[サービシンク総研]室内360度動画撮影チャレンジ vol.2「360度動画を撮影するためのラジコン選定」編
サービシンク総研での「360度動画を撮影する」ための第二弾記事。「撮影用ラジコン選定編」です
サービシンク総研について
サービシンクで新しいサービスを考えて研究する活動のサービシンク総研。
「サービシンク総研」の活動そのものについては前回の記事をご覧ください!
その「サービシンク総研」で取り扱っている「360度動画」による内覧コンテンツの可能性についてチャレンジ第二弾です。
360度撮影をするためのカメラ選定は前回のブログに書かせていただきました。
次にサービシンク総研で取り掛かったのは、「どうやって360度動画を撮影するか」でした。 というのは、360度カメラを持って撮影すれば撮影自体はできます。ですが、欠点があるのです。
「撮影している人が常に後ろ視点側に映ってしまっている」
360度動画の利点は「常に正面の進行方向以外の後ろや横も見ることができる」というものなのに、視点を後ろにしたら撮影している人の顔や体が映っていては台無しです。
もちろん撮影者が映ってしまうと、臨場感から「冷める」というのもありますが、そもそも物理的に撮影者の体で後ろが見えません。
360度動画を撮影するためのラジコン探し
そうなると答えはラジコンでの遠隔操縦という話になります。
最初、社内で実験したのはこれでした。
これを組み上げて実験をしみました。
そしておこなってみた実験の結果としては、
- 地面に黒の線を引かないといけない
- 地面の黒の線が色の差異がわかりにくい床の場合は使えない
- カメラを乗せてみたけど、ものすっごいガタガタ映像になる(おもちゃなので当たり前ですが)
- 最初に試験的に買ったものだとトルクが足りなくて速度が出ない
- 改造をするにしても、モーターを強くすると電池の消費量があがり、それを補うために電池を増やすとモーターのトルクが足りなくなって・・・と機材改良が無限ループになる
ということから、この路線は早々に諦めました(笑)
こういった「考えりゃ分かるだろ?」と思われることでも実験をしてみるのが直接業務に直結しているわけではない「サービシンク総研」の活動の魅力です。
そして考えたのは「ちゃんとしたラジコンでやるべき」となったのですが、どういったラジコン?という話です。
まさか、
1/10RC ホーネット
当然こういったものではありません(笑) 求めていたのは「速度」ではなく「安定して一定の速度で走り、操作性がいい」ことでした。
次に見つけたのがこの「Dolly360」でした。
株式会社キッズプレートと京商株式会社が合同で開発をした「360度カメラ専用」と言っても過言ではないラジコンです。
Dolly360のコンセプトがサイトに記載されています。
Dolly360はドローンの苦手とする狭い場所での移動や躯体のコントロールが難しいスロースピードでも安定してブレなく撮影できるラジオコントロール撮影ドリーです。
人間の目線の高さや歩くスピードに調整することで没入感を加速させ、まるであなたがそこにいるかのような強烈な体験を実現します。
ラジコンによる撮影を目的としているので、
- 速度よりのトルクの方を重要視している
- 上下と左右の揺れのためのスタビライザーが付いている
と、まさに今回の目的そのものだったのでこれを導入することとなりました。ただ、金額がなんと「50万円」というものだったので、それなりに導入には覚悟がいるものでもありました(笑)
届いた時は分解されていましたので、組み上げて実際はこんな形です。
Dolly360が360度動画撮影のために作られたことは、カメラ台座がありそこには「1/4インチネジ(カメラネジ)」が付いていることでも分かります。 ですので360度カメラをつけるのもとても簡単です。
ただ、そのまだと視点がめっちゃ低くて、部屋を内覧しているようには見えないので、視点をあげるために延長する必要があります。
高さの延長については次回の記事で書かせていただきます。
カメラをつけて撮影しようとして困った!
Dolly360の操作は、
- 設定上の最高速度にしても突っ走ってしまうものではなく、安心してコントロールができる
- 筐体のスタビライザーでカメラの上下の揺れはある程度防いでくれる
- ただし、横揺れへの対応は仕組み上限度がある
という感じです。 ただ、現状ではこれ以上のものは望めないと思われるぐらいの性能を持っています。
そんなDolly360ですが、一点大きな欠点があります。
この360度動画撮影は「撮影をしている人が動画にはいらない」ことを目的としています。そのためには「Dolly360が見えない位置」で操作をしなければなりません。
われわれが導入をしたカメラ「Kodak 4KVR360」には「ライブビューモード」があります。ですので、撮影中にラジコンがどこを進んでいるのかはこの「ライブビューモード」でOKと思っていたのです。
ですが、実際に撮影をしてみて無理が出てきました。というのは、Dolly360の足元がよく見えないのです。
我々が撮影を仕様としているのは「住宅の屋内」です。それを想定し「部屋と部屋の間を廊下を含めて移動する」という場合、思いのほか難しいのです。
屋内の撮影ではカーブを曲がろうとする時、横幅に余裕がない中で直角に曲がる、ということがほとんどです。すると、タイヤの通る足元が見えないと「壁にぶつかる」「角を曲がりきれない」といったことが頻発しました。
練習して車体感覚とカーブで曲がるタイミングの操作を身体に覚えさせればできるかもしれません。
しかし仮にこの撮影をサービス化するとなった場合、そんなに何度も練習が必要では、撮影そのものの難度が上がってしまいます。
足元用カメラとの導入
遠隔地から安定してDolly360を動かすために、Dolly360に小型のカメラを設置し、そのカメラからの映像を写すモニターも導入しました。
これらは一昔前のドローンがまだ「飛ぶだけ」でカメラ内蔵機種が少なかったころ(※2018年現在は「Tello」を筆頭にトイドローンでもカメラ内蔵が多い)に、後付けできるカメラなのですが、かなり小型で軽くDolly360の運行には全く問題がありません。
そこからの映像を「FPV ゴーグル」で見る形を作ってみました。
これで、Dolly360の乗っているかのように操縦をすることができるようになりました。そしてそこそこ狭い廊下であっても適切にカーブを曲がったり部屋に入ったりする運転をしながら、人が映らない360度動画を撮影する準備ができました!
次回の「室内360度動画撮影チャレンジ」vol.3は?
今回は360度動画撮影のためのラジコン選定でしたが、いかがでしたでしょうか?
これで準備万端!と思いきや撮影をしてみたら、また新しい問題が出てきました・・・。
というのは、Dolly360のスタビライザーで縦揺れはある程度吸収をしてくれるのですが、縦揺れが残るんです。撮影した動画をみたら・・・酔いそうな映像がところどころあり「これを改善しないことにはダメだ!」となりました。
という事で、次回は「360度動画を撮影するためのスタビライザー(ジンバル)」編です。
通常にジンバルやスタビライザーであれば最近は安価モノもいっぱい出ているのですが、今回の要件が「Dolly360に付けられる」ってことなんです。
地味に解決しなければならない問題が多々あり、困ったのですが、サービシンク総研でどのように解決したか?!をご紹介いたします。
ご期待ください!
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