【調査】不動産システム開発の発注先選び。担当者103名に聞く失敗と反省とは
以前弊社にて実施した調査では、不動産業のWebシステム開発において回答者の6割以上が「失敗経験」があると回答しました。
具体的にどのような不満や問題があったのでしょうか。
また、今後の発注先選びに対してどのような反省があったのでしょうか。
これらを解き明かすために、不動産業界に勤めるシステム開発・運用担当者のうち、「発注先選びで失敗経験がある担当者」103名にアンケート調査を実施しました。
システム開発の依頼先・パートナーを探しているご担当様は、ぜひ本結果を参考になさってください。
- システム開発・運用の発注時に感じた発注先への不満ランキング第1位は「不動産業の業種やビジネスモデルなど、根本的な知識が不足している」(47.5%)
- システム開発の発注において発生した問題について、約4割が「コミュニケーション不足による問題」が発生したと回答
- 今後発注先を選定する際に外せない要件は
- 「不動産業界の商売や常識に精通している」(42.7%)
- 「不動産業界のシステム開発に特化している」(37.9%)
 
目次
1.調査結果
≪調査概要≫
調査概要:不動産業界におけるシステム発注先選びの失敗に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年11月9日〜同年11月10日
有効回答:不動産業界に勤めておりシステム開発・運用の発注先選びで失敗経験があるシステム開発担当者103名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1. 情報の出典元として「サービシンク」の名前を明記してください。
2. Webサイトで使用する場合は、出典元として下記リンクを設置してください。
URL:https://servithink.co.jp/
発注先に感じたことがある不満とは
まず最初に「発注先に感じたことがある不満」について質問しました。
Q1:あなたがシステム開発・運用を外部発注した際、 発注先に感じたことがある不満をすべて選択し、 深刻度が高いものから順位をつけてください(ランキング)
<回答選択肢>
- 不動産業の業種やビジネスモデルなど、根本的な知識が不足している
- 不動産業の慣習や文化に関する理解が不足している
- 不動産業の各種業務がに関する理解が不足している
- 不動産情報の流通の仕組みに関する理解が不足している
- 不動産業の主要な基幹システム・管理システムに関する理解が不足している
- 公取規約など、不動産広告における法律や規制に関する理解が不足している
- 不動産ポータルサイトの位置付けや関係性に関する理解が不足している
- 物件検索や物件情報表示に使用する各種マスターに関する理解が不足している
- 不動産業の各種タッチポイントでのデジタル・アナログ利用状況に関する理解が不足している
- スクラッチとプロダクトをハイブリッドする開発力がない
- 自社(発注元)のサービス・サイトへの理解が足りない
- 不動産業界の最新動向を知らない
- 不動産に関わるテクノロジーの最新動向を知らない
- WebマーケティングやSEOに関する最新動向を知らない
- フロントエンドのトレンド(デザイン・インタラクションデザインなど)を知らない
- その他
- 特にない/わからない/答えられない
結果は以下のようになりました(ランキング上位抜粋)
- 不動産業の業種やビジネスモデルなど、根本的な知識が不足している(47.5%)
- 不動産業の各種業務に関する理解が不足している(36.9%)
- 不動産業の慣習や文化に関する理解が不足している(32.0%)
- 不動産業の主要な基幹システム・管理システムに関する理解が不足している(23.3%)
- 不動産情報の流通の仕組みに関する理解が不足している(21.4%)
提示していたいずれの選択肢も6名以上から票を獲得。なかでも不動産業界の「業態・業務・文化」への理解不足に対し不満の声が集まりました。
また、自由回答では以下のような声が挙がりました。
- 40歳:会社の要件が理解してもらえない
- 49歳:臨機応変に対応出来ない
- 41歳:ITのプロだと思って依頼しているが、実際には言ったことしかやってくれなかった
- 62歳:相手からの返答がその都度違う
- 46歳:運用フローの理解が浅く、テスト時点での不備が多数発覚した
- 45歳:弊社独自のシステムにマッチしていない事が後から判明した<
- 46歳:慣習を知らない
外部に発注して発生した問題とは
続いて、以下の質問を行いました。
Q2:あなたがシステム開発・運用を外部発注した際に発生したことがある問題を選択してください(複数回答)
結果は以下のようになりました。
- コミュニケーション不足による問題(37.9%)
- テスト不足による問題(35.9%)
- 技術的課題による問題(35.0%)
- プロジェクト管理不足による問題(34.0%)
- スコープ不明確による問題(32.0%)
- 要件変更が頻発したことによる問題(31.1%)
- 予算不足による問題(25.2%)
- 法的・規制問題による問題(11.7%)
- その他(0.0%)
- わからない/答えられない(2.9%)
また、問題の詳細について自由回答を求めたところ、「コミュニケーションに関する問題」「技術に関する問題」「コストに関する問題」が多く挙げられました。
- コミュニケーションに関する問題
- 32歳:対面での打ち合わせをしない業者のため、どうしてもコミュニケーションが希薄になり、スムーズな仕事ができない
- 49歳:双方の理解不足による人的トラブル
- 50歳:当方のニーズを本当の意味で分かっていない
- 技術に関する問題
- 41歳:テストパターン不足で本番稼働後にエラーが多発
- 42歳:ベンダーの技術力不足
- 42歳:ポータルサイトや自社ホームページへのコンバートがうまくいかなかった
- コストに関する問題
- 36歳:コストが思ったより高くなった
今後発注先を選定する際に外せない要件とは
さらに次の質問を行いました。
Q3:今後発注先を選定する際に外せない要件をすべて選択し、優先度が高いものから順位をつけてください(ランキング)
結果は以下のようになりました(上位抜粋)
- 不動産業界の商売や常識に精通している(42.7%)
- 不動産業界のシステム開発に特化している(37.9%)
- 制作や開発だけでなく、より上流工程のコンサルティングから参画できる(または、その目線でものが話せること)(34.0%)
- システム開発だけでなく、インフラ開発もできる(29.1%)
- システム開発だけでなく、UI/UXの提案にも優れている(25.2%)
- 創業からの経過年数が長い(14.6%)
Q1の結果同様に「不動産業界への理解」や「不動産業界に特化したシステム開発実績」が重要な要件になっています。また、単なるWeb制作やシステム開発だけではなく、企画段階からのコンサルティングやインフラ開発など、より上流工程での相談相手としての役割が求められていることがわかります。
6位以下は以下のような順位となりました。
「創業からの年数」「不動産大手との取引実績」などが入り、経験や実績も問われています。
- 不動産大手との取引実績が多い (12.6%)
- プロジェクトマネジメントが細やかで丁寧:8.7%)
- 投資する予算に見合う、またはそれ以上のバックを生み出す仕組みや機能を企画提案してくれる(6.8%)
- 対面会議やWeb会議など顔や声がわかる形のコミュニケーションを取ってくれる(5.8%)
- 実際に担当するプロデューサーやディレクターの顔や経歴が明確である(4.9%)
- 不動産業界の最新動向に詳しい(4.8%)
- プロジェクト中のやりとりや文書が、過不足なく明瞭な表現である(3.9%)
- 1000万以上の大型開発実績が豊富にある(2.9%)
- WebマーケティングやSEOに関する最新動向に詳しい(2.9%)
- 不動産に関わるテクノロジーの最新動向に詳しい(2.0%)
- フロントエンドのトレンド(デザイン・インタラクションデザインなど)に詳しい(2.0%)
- その他(1.0%)
- わからない/答えられない(3.9%)
上記以外で、発注先に求める要件を自由回答にて質問したところ、「スピード感をもって対応してもらえること」や「自社では思いつかない、広範な提案」など、プラスアルファの要望が挙がりました。
- 40歳:スピード感をもって対応してもらえること
- 41歳:人手不足ではないところにお願いしたい
- 49歳:理解力、提案力、危機回避能力
- 45歳:業界の知識がある事と弊社独自のシステムに対する理解力
- 54歳:いくつかの案を提示してくれて、メリット・デメリットを教えてくれること
- 58歳:自社では思いつかない、広範な提案をしてもらえるようだとありがたい
- 46歳:プロジェクトの規模と予算感が合っている
今後発注先選びの参考にしたい情報とは
最後に以下の質問を行いました。
Q4:Q3の要件を満たしている会社かどうかを確認するため、参考にしたい情報を選択してください(複数選択)
結果、具体的な「実績」や「会社の信用情報」に多くの票が集まりました。
- 制作実績(対応内容)(42.4%)
- 制作実績(金額規模)(40.4%)
- 制作実績(クライアント名)(38.4%)
- 制作会社のサービス提供領域(37.4%)
- 会社情報(規模・創業からの年数など)(35.4%)
- 制作側の担当者の性格やコミュニケーションタイプ(25.3%)
- 制作側の担当者との会話の中で、不動産業知識を試す(24.2%)
- 提案内容の企画や戦略(22.2%)
- 制作側の担当者の商談スキル(進行と管理能力)(21.2%)
- 制作側の担当者が作成する文章(15.2%)
- 制作側の担当者の経歴や活動情報(14.1%)
- 少額から発注して実態をみる(11.1%)
- その他(0.0%)
- わからない/答えられない(2.0%)
<自由回答・一部抜粋>
- 48歳:個社カスタマイズ
- 58歳:ユーザーの評判
- 54歳:過去の提案書のサンプル
- 42歳:実際のデモ画面などを、まずは利用してみたい
- 46歳:他の業種での経験
まとめ
今回は、「不動産業界におけるシステム発注先選びの失敗に関する実態調査」の結果をご紹介しました。
傍目に開発技術に優れていそうな制作会社であっても、不動産業界ならではのビジネスや情報流通、独自のシステム、慣習、サービスを使うユーザの状況や心理などを考慮した開発ができなければ、本当の意味での「良いシステム開発」はできません。
実際のアンケート結果でも、開発中に発生した問題の多くは「コミュニケーションに関する問題」であり、「当方のニーズを本当の意味で分かっていない」といった声が挙がっていました。
システム開発の発注は決して安くありませんから、貴社の課題やニーズを真に理解し「課題解決」を提供してくれるWeb制作会社・システム開発会社を選ぶことが非常に重要になります。(もちろん、開発に必要な技術力があることは大前提です)
多くの回答者が「今後発注先を選定する際に外せない要件」として、不動産業界の常識や開発ナレッジの次に、「より上流工程のコンサルティングから参画できる(または、その目線でものが話せること)」を挙げていた点からも、同じことが言えると思います。
不動産業のシステム開発の発注先を選定する際には、ぜひこのアンケート結果を参考に探してみてください。
3.不動産業のWeb制作・システム開発ならサービシンク
最後に私たちサービシンクについてご紹介させてください。
私たち株式会社サービシンクは、2010年設立の不動産業界に特化したWeb制作・システム開発会社です。Webコンサルティング〜制作/開発〜保守運用まで広い知識と技術を有し、ワンストップ提供が可能です。
【特長1】不動産業界特化
不動産業界の制作実績数だけでなく、業界の業務・情報流通や管理の手段・各種システムなどの業界常識も徹底カバー。効果的な提案を評価いただいています。
【特長2】Webサービス開発を総合支援
- Webコンサルティング
Web開発ナレッジを強みとした事業コンサルティングを提供。既に開発体制が決まっているプロジェクトからも、陣頭指揮をお任せいただいています。
- ホームページ・Webサイト制作
施策効果や運用のしやすさを重要視した制作を提供します。既存CMSへの繋ぎこみや、載せ替え対応、外部サービスとの連携、原稿・コンテンツ作成、マニュアル作成などもご相談ください。
- システム開発・インフラ開発
大規模スクラッチ開発のナレッジと実績を強みとした効果的な提案とプロジェクト管理を提供。業務システムやAPIなど各種システム開発のほか、インフラ構築もお任せください。
- 保守運用
Webサイト・システムの障害対応と復旧をはじめとした保守対応や掲載情報の更新運用を提供。セキュリティや性能改善のためのご提案も随時行います。
【特長3】1000万円超の大型開発実績多数
大型開発には、技術力だけでなく高いプロジェクト管理能力とスキルが要求されます。サービシンクは大規模スクラッチ開発のナレッジと実績を強みとしています。
【特長4】膝をつきあわせた打ち合わせが得意
コミュニケーション中に発生した認識齟齬が後に致命的な問題に発展することを防ぐため、お客様の表情や声の聞こえる打ち合わせを大事にしています(東京と京都に拠点があります)
【特長5】徹底したセキュリティ対策
株式会社サービシンクはプライバシーマークを取得しています。セキュリティ対策に細心の注意を払い、50万件を超える顧客情報の管理案件もお任せいただいています。
最後に
- 物件検索システム・サイト
- 不動産会社用のCMS
- 内見管理システム
- 法人顧客向け物件提案システム
- お部屋探しチャット
- 売り手と買い手のマッチングアプリ
- 不動産会社イベント管理サイト
- 会員向けサイト
- 入居者管理システム
など、サービシンクではこれまで多くの不動産業界のシステムやサービス開発のご支援を行ってきました。
しかし提案内容もご評価いただき、他業界からのご発注もいただいております。
「複雑化したコーポレートサイトを整理したい」「お客様にとってもっと使いやすいシステムにしたい」といったご要望から、「こんなことできませんか?」といったざっくりとしたご相談までお受けしておりますし、何をどう依頼したらよいか分からない場合もご相談に乗ります。
まずはお気軽にご相談ください。
Webサイト・システムの
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出張またはWeb会議にて、貴社Webサイトの改善すべき点や
ご相談事項に無料で回答いたします。