【アメリカ不動産】Webサイト・ホームページにMLSの物件を表示したい!概要と実装のポイントをまとめました

不動産業界に強いサービシンクだからこそ分かる、Web制作・ホームページ制作の裏側。
今回ご紹介するのは、「MLS(エムエルエス、Multiple Listing Service)」と呼ばれる、アメリカの不動産情報システムについてです。

MLS 概要と実装のポイント

MLS(Multiple Listing Service)は、
日本の不動産流通標準情報システム「REINS(レインズ、Real Estate Information Network System)」のアメリカ版にて、聴き慣れない方も多いかもしれません。

これらのネットワークシステムが保有する物件情報が、日本で言うとSUUMOやHOME’Sなど不動産ポータルサイトの情報源となっています。

MLS(Multiple Listing Service)についてインターネットで調べてみると、たくさんの情報を見つけることができます。
しかし、専門用語が多く使われていることや、日本の不動産事情とは少し異なる点もあり、理解が難しいですよね。特に、「アメリカの物件情報をWebサイト・ホームページに掲載したい!」という担当者様にとっては、敷居を高く感じてしまうのではないでしょうか。

そこで今回は、MLS(Multiple Listing Service)の概要から実装方法、制作会社の選定のポイントまで、
分かりやすくご紹介いたします。
この記事は、こんなことを知りたい人向けに書かれています。




MLS(Multiple Listing Service)とは?

MLS(エムエルエス、Multiple Listing Service)とは、アメリカの不動産情報が集結する、超巨大な不動産情報のデータベースシステム、およびそれを利用した一連のサービスのことを示しています。
アメリカの不動産業界には、なくてはならないサービスであるといってもよいでしょう。

MLS(Multiple Listing Service)システムは国内全体で一つのシステムとなっているのではなく、アメリカ内の様々な地域ごとに分かれています。
2020年現在、およそ800を超える数のMLS(Multiple Listing Service)システムが存在すると言われています。
(出典:https://www.nar.realtor/nar-doj-settlement/multiple-listing-service-mls-what-is-it

その一つ一つのシステム内には、対象地域の膨大な物件情報が蓄積されているのです。
まさに、MLS(Multiple Listing Service)システムを知れば、その地域の不動産が分かると言っても過言ではありません。


MLSと日本のシステムとはどんな違いがあるの?


アメリカのMLS、日本のREINS

MLS(Multiple Listing Service)に似たシステムとして、日本に存在する、REINS(レインズ)という不動産情報のデータベースシステムが存在します。
正式名称は、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)。
とても長い名前なので、略してREINS(レインズ)と呼ばれています。

かつての日本の不動産業界では、REINS(レインズ)が普及するまでは、直接会合に出席する、紙媒体での広告を確認する、などの方法で情報交換する必要がありました。
しかし、このシステムの登場により、売却されている物件情報について、Web上から手軽にやりとりすることができるようになりました。



どんな違いがあるの?

MLS(Multiple Listing Service)とREINS(レインズ)。
二つのシステムは、同じ物件情報のデータベースシステムということで、非常によく似ていますが、実は、以下のように大きな違いを挙げることができます。


  1. データの透明性
  2. 取り扱う物件情報の量

まず一つ目は、MLS(Multiple Listing Service)は、データの透明性が非常に高いということ。

MLS(Multiple Listing Service)は、データの透明性が非常に高い

REINS(レインズ)の場合、サービスを利用できるのは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構に加入している不動産業者のみで、それ以外のユーザーがREINS(レインズ)にアクセスすることは禁止されています。
そのため、例えば不動産業者とは無関係の一般消費者が、REINS(レインズ)を検索して、直接、物件情報を確認する、といったことはできません。


一方のMLS(Multiple Listing Service)では、MLS会員であれば、例え不動産業者ではなく、一般消費者であっても、データへのアクセスが可能です。
さらに、ポケットリスティング(非公開物件)を禁じているため、MLS(Multiple Listing Service)にアクセスできるユーザーであれば、誰でも公平に登録情報を閲覧することができます。
そのためMLSシステムは、その高い透明性から、絶大な信頼を勝ち得ているのです。




そして、MLS(Multiple Listing Service)とREINSの違いの二つ目。それは、取り扱う物件情報の網羅性です。

MLS(Multiple Listing Service)とREINS(レインズ)の違いは取り扱う物件情報の網羅性

実は、日本のREINS(レインズ)においては、システムに登録しなくてもよい物件情報というものが存在します。
それは、一般媒介契約を結んだ物件情報です。

宅地建物取引業法では、専任媒介契約、もしくは専属専任媒介契約を結ばれた物件の場合、必ず情報をREINS(レインズ)に登録する義務が発生します。
しかしながら、一般媒介契約を結んだ物件情報は、必ずしもREINS(レインズ)に登録する必要はありません。
つまり、全ての物件情報がREINSに登録されている訳ではないのです。
(参考:http://www.reins.or.jp/contract/


ひょっとしたらREINS(レインズ)に登録されず、他の人たちに知られていない好物件の情報があるのかもしれない……
いかがでしょうか? そんなことが頭をよぎると、システムの信頼性も落ちてしまいますよね。
特に、自力で買い手を見つけるのが容易な好物件は、REINSでわざわざ幅広く公開する必要もないため、「良い物件は非公開物件に多い」とすら語られてしまうこともあります。



さて、これに対し、MLS(Multiple Listing Service)の場合はどうなのでしょうか。
MLS(Multiple Listing Service)会員の不動産業者の場合、アメリカ国内の物件情報は全て、24時間以内にMLS(Multiple Listing Service)システムに登録する義務があります。
全物件情報の登録必須であることはもちろん、REINS(レインズ)への登録は5〜7日以内であることを考えると、いかに迅速なデータの登録を義務付けられているかが分かりますね。
そのため、不動産業者の持つリアルタイムの物件情報が、必然的にMLS(Multiple Listing Service)システムに集約されることになるのです。

この規則に違反した場合は、勧告や罰金などの処罰を受けますが、悪質な場合は、除名処分を課せられる可能性もあります。
すでにご紹介している通り、MLS(Multiple Listing Service)は、その地域の物件情報が膨大に集積されたデータベースシステムです。
除名処分を受けるということは、すなわち、その物件情報にアクセスできないという事態に繋がるため、不動産企業にとっては致命的です。
この極めて厳しいペナルティの存在も、MLS(Multiple Listing Service)における情報の網羅性に一役買っていると言えます。

MLS(Multiple Listing Service)とREINS(レインズ)は登録する物件情報の情報量にも大きく差があります

さらには、登録する物件情報の内容についても、その情報量に大きく差があります。

REINS(レインズ)は、登録にあたっての必須項目が非常に少なく、ユーザーが欲しい情報が必ずしも登録されているとは限りません。
極端な例では、価格や住所、面積、間取りといった基本的な内容以外、何も分からない、という物件情報も存在するのです。

一方、MLS(Multiple Listing Service)システムに登録されている情報は極めて豊富で、間取りや物件の写真はもちろん、眺望、税金履歴、改修履歴、近隣の地区、洪水ゾーンまで、ありとあらゆる情報が集まっています。

地域中の物件の、消費者が欲しいきめ細やかな情報も、バッチリ網羅している。
これもまた、MLS(Multiple Listing Service)の信頼が高い理由の一つなのです。



MLSの物件情報を、Webサイト・ホームページに表示する方法は?


MLS(Multiple Listing Service)の物件情報をサイトに表示させる方法

さて、ここまでの内容を読んで、「それでは、MLS(Multiple Listing Service)の物件情報をサイトに表示させるには、どんな方法があるの?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

大きく分けて、以下の二つの方法が考えられます。


  • IDX(アイディーエックス、Internet Data Exchange)ツールの購入・埋め込み
  • RETS(レッツ、Real Estate Transaction Standard)を利用したシステム構築

一見、難しいように見えますが、そんなことはありません。重要なのは、メリットとデメリットを理解することです。


IDXサービスとは?

まずは、IDX(Internet Data Exchange)サービスの概要についてご紹介しましょう。
このサービスは、サードパーティ(第三者企業)が提供しているサービスです。
独自のツールを顧客のWebサイト・ホームページに埋め込むことで、物件情報の表示が可能になります。

各IDXサービスの提供会社は、定期的にMLS(Multiple Listing Service)システムに接続し、最新の物件情報を取得しています。
IDX提供会社は、以下のポリシーに則って、限定された表示をする物件情報のリストを配信します。
(参考:https://www.nar.realtor/handbook-on-multiple-listing-policy
ツールを利用している顧客のWebサイトには、この配信されたリストが、サイト上に表示されることになるのです。


最大のメリットといえば、何といっても、手軽にMLS(Multiple Listing Service)の情報を表示できることです。

MLS(Multiple Listing Service)の物件情報を格納するデータベースやシステムを用意する必要がないため、初期構築のスペックや価格が抑えられます。

デメリットとして、ツール利用には、サービスの提供企業へ支払う費用がかかります。
料金はツールごとに異なりますが、多くのプランの場合、月額で数十ドル程度です。
また、利用するツールやプランにより、例えばAPIコール数など、様々な利用制限もかかってきます。

ツールは数多く販売されているため、よく吟味を重ね、比較検討することが必要です。
保守費用や見た目にはこだわらないので、スピーディに導入したい、というお客様にオススメします。



RETSとは?

続いて、RETS(Real Estate Transaction Standard)のご紹介です。

RETSとは、MLS(Multiple Listing Service)システム内の物件情報にアクセスするための規格です。
つまり、サービスやシステムの名前ではありません。実際に物件情報にアクセスするには、RETSを利用したシステム構築が必要になります。
RETSを利用する場合は、MLS(Multiple Listing Service)システムにリクエストを送信することで、直接、システム内に登録されている物件情報を取得することになります。
取得した物件情報は、自社サーバ内のデータベースに格納することで、そのデータベース内のデータを表示したり、検索したりすることが可能になります。

メリットは、自前の実装だからこそ実現できる、その圧倒的な柔軟性です。
MLS(Multiple Listing Service)システムに登録されている膨大な情報について、どの情報を、どのように表示させ、どのような検索を実現したいのか。カスタマイズは思いのままです。
また、物件情報の更新のタイミングも自由に決定できるため、IDXサービスと比較して、より最新情報に近い内容を掲載することができるのも、嬉しい利点の一つです。

デメリットとしては、取得、格納、検索の全ての処理を自前で実装する必要があります。
そのため、初期構築には費用と時間がかかります。


すでに物件情報の掲載のイメージがついていて、その通りにカスタマイズを行いたい、と考えるお客様にオススメします。


どんな制作会社に頼めばいいの?

物件情報は、それを表示するWebサイトにとっては、要となるほど重要なデータです。
そのため、不動産ビジネスやMLS(Multiple Listing Service),REINS(レインズ)について豊富な知見を持っていて、困ったことを何でも相談できる制作会社を選ぶことを推奨します。

不動産ビジネスやMLS(Multiple Listing Service),REINS(レインズ)について豊富な知見を持っていて、困ったことを何でも相談できる制作会社

株式会社サービシンクは、RETSを利用したシステム構築の実績があるため、そのノウハウを生かして、お客様のご相談にお応えすることが可能です。


さらには、「英文の定型文を、辞書を使って変換したい……」「こんな物件情報だけを掲載したい!」など、幅広いご要望のご相談、Google Translateを使ったデータの自動翻訳や、対象物件をGoogle Mapに表示させるといった、他サービスとの連携も可能です。


「見積もりが欲しい!」「話だけでも聞いてみたい!」と思われた方は、ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。


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