EFOで問い合わせの離脱を防ぐ|不動産サイトの反響を逃さない入力フォーム改善
自社Webサイトのコンバージョンが伸びず、投資対効果が得られないと悩んでいませんか。
数あるコンバージョン改善方法の1つに、「入力フォーム」を最適化することで改善させる方法があります。
不動産サイトの場合、物件の問い合わせ、売却査定の依頼、会員登録と、性質の異なるフォームがひとつのサイトに並んでいます。それぞれで離脱の原因が違うため、まとめて「フォームを改善しよう」と考えると手が止まりがちです。
この記事では、EFOの基本的な考え方を確認したうえで、不動産サイトならではの改善ポイントをフォーム別に整理します。今のサイトに見直しが必要かどうか、ご紹介するチェックポイントをもとに確認してみましょう。
なお、この記事は賃貸仲介・売買仲介のどちらのサイトも対象にしています。売却査定は売買仲介、内見予約は賃貸・売買どちらのサイトにも共通する内容です。
この記事でわかること
- EFO(入力フォーム最適化)の基本と、改善で得られる効果
- 一般的なサイトと不動産サイトのフォームが違う3つの理由
- 物件問い合わせ・売却査定・会員登録、フォーム別の具体的な改善ポイント
- 改善効果を測るために見るべき3つの指標
目次
EFO(Entry Form Optimization)とは
EFOとは「入力フォーム最適化(=Entry Form Optimization)」のことです。会員登録や資料請求、お問い合わせなどのページに訪れたユーザが、入力フォームを埋めることを負担に感じ途中で離脱することを防ぐための対策を指します。
EFO改善でもたらされる効果
実際にユーザが問い合わせや会員登録を行うためにフォームの入力を始めても、入力項目の多さや入力エラーの発生からストレスを感じてしまい、入力を途中で放棄してしまうことが多々あります。
参考になるのが、UX調査企業のBaymard社が公開しているECサイトのデータです。同社が50件の調査を集計した結果では、商品をカートに入れたユーザのうち平均70.22%が購入せずに離脱しています。さらに同社のチェックアウト調査では、およそ5人に1人が「入力の手順が長く複雑だった」ことを離脱の理由に挙げています。
出典:Baymard Institute「Cart Abandonment Rate Statistics」(2026年9月参照時点の集計値)
これはECサイトの数字なので、不動産サイトの問い合わせフォームにそのまま当てはまるわけではありません。物件の問い合わせと商品の購入では、ユーザの動機も検討期間もまったく違います。
ただ、「入力の手間が成果を削っている」という構造は共通しています。せっかく投資をして集客し、良い物件やサービスを扱っていても、フォーム入力の煩雑さが原因で機会を損失してしまえば、CPA(=cost per acquisition:1件のコンバージョンを獲得するのにかかったコスト)が多くかかり、期待した効果が得られません。
EFOの改善を行いフォームの通過率を上げることで、より高い効果を得ましょう。
EFO改善の基本チェックポイント
まずは業種を問わず共通する基本を確認します。実際に今のWebサイトに改善が必要なポイントがないか見ていきましょう。EFOの基本的な改善ポイントは以下の3つです。
- 項目はできるだけ少なく・短くする
- ユーザに入力のストレスを与えない
- フォームから別のページへ遷移させない
項目はできるだけ少なく・短くする
フォームの項目数は可能な限り減らしましょう。項目が多いほどユーザは面倒に感じてしまい、離脱率は顕著に数字に現れます。
「必要不可欠な項目」以外に「わざわざ入力する必要のない項目」が入っていないか検討しましょう。
特に「任意の入力項目」としてフォームに設置しているものは、本当に必要な項目かどうかもう一度精査してみましょう。
また項目を少なくするのと同様の理由で、入力するテキストをできるだけ短くする工夫も重要になってきます。
NG例1. 電話番号や住所などが細かく区切られておりまとめて入力できない
- 電話番号をハイフン(-)が入るたびに別の項目に分けている
- ハイフンを入力させている など
ユーザ視点で見ると、それだけ入力項目が増えることとなってしまいます。ユーザには番号のみを入力してもらい、ひとつの入力欄で済むように変更しましょう。
また、必要がないのに住所の項目を県名・町名・番地と分けている場合も、ユーザの負担を減らすために繋げて入力欄を減らしましょう。
NG例2. 住所が郵便番号で自動入力できるようになっていない
郵便番号が分かれば、住所の途中までは調べることができます。そのため、すべてを入力させるのではなく、郵便番号を入力することで都道府県から市町村までを自動入力にすることにより、ユーザへの手間を減らすことができます。
加えて、この対策を行うことで住所の入力間違いのリスクを減らすことができるので、フォームの管理者側にもメリットがあります。
ユーザに入力のストレスを与えない
ユーザが入力中にフォームから離脱しないように、極力ユーザに入力のストレスを与えないようにしましょう。視覚的にユーザが理解しやすい入力フォームにすることが効果的です。
NG例1. フォントサイズやフォームの配置が揃っておらず見づらい
姓と名、郵便番号と番地など、同じ項目に分類される入力欄がグルーピングされておらず視覚的にわかりづらかったり、文字サイズや配置が揃っていなかったりすると、ユーザが一見して「何を入力すべきか」がわからずストレスになってしまいます。
フォーム入力に直接影響するものではありませんが、サイズや配置を揃えるといった視覚的な配慮も大切です。
同様に、文字のフォントや色も可読性の高いものを選び、ユーザにとって読みやすい入力フォームにしましょう。
NG例2. 入力ミスがあっても逐一エラーを出さない
フォームを入力し、「送信」や「次へ」のフォーム送信ボタンをクリックした後にエラーが表示されるものは、再度戻って訂正が必要な箇所を探さなければいけなくなるため、ストレスの原因となってしまいます。
また、エラーメッセージの指示が具体的でなく、どの項目のエラーかわからない指示が表示されると、「どこがなぜエラーになっているのか」をユーザが考えなければいけないため、さらにストレスとなってしまいます。
フォーム入力ミスなどでエラーとなる場合は、入力してすぐに具体的な修正内容を表示させるようにすると効果的でしょう。
入力した時点でエラーの表示が出ることによりその場ですぐに修正ができると、ユーザのストレスを減らすことができます。
NG例3. 入力内容や入力しなければいけない項目がわかりにくい
フォームの入力欄をすべて同じ色で表示している場合、入力を途中で中断した際に「どこまで入力したか」がわからなくなってしまうため、これもストレスとなってしまいます。
この対策としては、入力している箇所の欄の色を変化させるといった対応が必要です。
また、フォームの入力欄で半角文字しか入力できないといった設定をしていると、注意書きだけでは気づかずに入力してしまう可能性があります。
こういったものに対しては、入力欄にデフォルトで例を表示して入力するべきものを瞬時に判断できるようにするか、入力後に半角文字に変換する機能を付けるなど、ユーザの負担を減らす対策も重要です。
フォームから別のページへ遷移させない
ここでいう「別のページ」には2つの意味があります。1つはフォームの外にあるページ(利用規約や他のコンテンツなど)、もう1つはフォーム自体を複数画面に分けたときの次の画面です。前者への遷移は防ぐべきものですが、後者は項目数によって使い分けが必要になります。
まず、フォームの外への遷移についてです。誤って別のページに飛んでしまい、戻っても途中まで入力していたデータが消えてしまうといったことが起こると、離脱率が大きく上がってしまいます。
一方、フォーム自体をどこまで1画面に収めるかは、項目数によって判断が変わります。項目が少なければ1画面で完結させたほうがよく、無理にページを分けると、ユーザは果てしない入力作業を面倒に感じ離脱してしまいます。
逆に、項目をすべて1画面に詰め込んでしまうと、何を求められているのかが一目で判断できなくなります。そのため、お問い合わせ内容や連絡先など、項目の性質ごとに最低限分けることは必要です。ただ、ページを細かく分割し過ぎてしまうと、かえってユーザの混乱を招きます。
NG例1. ナビゲーションが設置されていない(入力項目の進捗がわからない)
フォームが何ページあるのかわからなかったり、どれくらいの項目を入力すれば終わるのかわからなかったりすると、ユーザの離脱率が高くなってしまいます。
解決策としては、フォームの上部にナビゲーションを設置することです。「1/2ページ」など、送信が完了するまで現在どこまで進んでいるのかわかるようにします。項目数も同様に表示しましょう。
NG例2. 誤操作で入力内容が消えてしまう
ボタン1クリックでフォームの内容がすべて消えてしまったり、誤って前のページに戻ってしまったりすると、ユーザは入力をやり直す気力を失い、そのまま離脱する可能性が高いです。
離脱確認のダイアログを表示する、または、入力途中の内容を一時的に自動保存し、誤って前のページに戻ったり再読み込みしたりしても入力済みの内容が残るようにしておくことで、誤操作に対応できます。これは、後述する売却査定フォームのように複数画面に分かれたフォームでも同様に必要な対策です。
NG例3. 別ページへのリンクがたくさん設置されている
Webページには個人情報の利用規約や広告など多くのリンクが存在し、ユーザが操作を誤ったり興味が移ってしまったりなどの理由で、別ページへ遷移してしまうこともあります。
一度別ページへのリンクを押してしまうと、1から入力やり直しとなってしまい離脱率を高めてしまいます。
根本的な解決をするには、問い合わせフォームがあるページには、できる限り不要な別ページへのリンクを削除してしまうことが重要です。
不動産サイトのフォームが一般的なサイトと違う3つの理由
ここまでは業種を問わない基本の話です。ただ、不動産サイトのフォームには、他の業種にはない事情がいくつかあります。「基本の3つはやっているのに反響が増えない」という場合、原因はこちら側にあることが少なくありません。
ポータルサイトと入力の手間を比較されている
不動産サイトのフォームは、単独で評価されていません。
物件を探しているユーザは、自社サイトを見ながら、同じ物件をポータルサイトでも見ています。国土交通省「住宅市場動向調査」でも、物件情報の収集手段としてインターネットを利用する割合は年々高まっており、複数サイトを比較検討する行動が一般化していることがうかがえます。
※出典:国土交通省「住宅市場動向調査」
ポータルサイト側には会員情報が登録済みで、問い合わせボタンを押せば数タップで送信が完了します。そこで自社サイトのフォームが10項目以上あれば、ユーザは迷わずポータル側から問い合わせます。
つまり、自社サイトのフォームは「入力するかしないか」ではなく「どちらから問い合わせるか」で比較されています。ここが、比較対象のない一般的な企業サイトのフォームとの決定的な違いです。
自社サイトから直接問い合わせが来るかどうかは、その後の手数料や顧客データの持ち方にも関わってきます。フォームの改善が、単なるCVR改善以上の意味を持つ理由です。
目的の違うフォームを同じ項目で使い回していないか
不動産会社のサイトには、反響を獲得するためのフォームが複数設置されている場合があります。代表的なものは以下のとおりです。
- 物件の問い合わせ
- 内見・来店の予約
- 売却査定の依頼
- 会員登録・マイページ
- オーナー・法人向け窓口
これらは目的がそれぞれ違います。売却査定を依頼する人は「いくらで売れるか」を知りたい段階ですし、内見予約をする人はすでに購入意欲が固まっています。必要な情報も、その後の営業プロセスも別物です。
それにもかかわらず、ひとつのフォームで複数の目的を受け付けたり、同じ項目のテンプレートを使い回したりすると、ユーザにとって不要な情報の入力が発生し、使い勝手の悪いものになります。フォームは目的ごとに、必要な項目を洗い出して設計することが大切です。
反響の質を求めるほど項目が増えてしまう
EFOの一般論は「項目を減らしましょう」で終わります。しかし実際に対応する営業の現場では、そう単純にいきません。
営業側は、追客の効率を上げるために希望エリアや予算、入居時期を先に知りたいと考えます。一方で項目を増やせば離脱は増えます。
問い合わせを受け取ったあとの業務まで含めて考え、本当に必要な項目と、事前にわかると望ましい項目を分けて設計することが重要です。
フォーム別に見る改善ポイント
ここでは、反響に直結する3つのフォーム(物件問い合わせ・内見予約、売却査定、会員登録)を取り上げます。オーナー・法人向けの窓口も同じ考え方で見直せますが、まずは主要なこの3つから着手するのが効果的です。
物件問い合わせ・内見予約フォームを改善するポイント
最も反響に直結するフォームです。チェックしたいのは次の点です。
物件情報がフォームに自動で引き継がれているか
物件詳細ページから問い合わせフォームに遷移したとき、物件名や物件番号が自動で入っているでしょうか。ユーザに物件番号を手入力させているサイトは、いまでも見かけます。ユーザは前のページに戻って番号を確認し、また戻ってくることになります。この往復が離脱を生みます。
問い合わせの種類が多すぎないか
「資料請求」「内見予約」「オンライン相談」「電話での問い合わせ」「その他」と選択肢が並んでいると、ユーザは自分の要望がどれに当たるのか判断できません。選択肢は絞り、それぞれの違いが一言でわかるようにしましょう。
連絡可能な時間帯を選べるか
インターネット上での問い合わせはユーザの自由時間である夜間や休日にも行われるため、営業時間外にも発生します。営業時間内に折り返しの電話がつながらないまま終わるケースを減らすには、連絡してほしい時間帯や連絡手段(電話・メール)をユーザ側に選ばせるのが有効です。
スマートフォンでの入力を前提にしているか
物件検索でのスマートフォンの利用率は2023年度の調査で93.4%に達しています。入力欄のサイズやキーボードの種類(電話番号入力時に数字キーボードが出るかなど)が使いやすさを大きく左右します。PCで確認して終わりにせず、実機で入力してみることをおすすめします。
出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会「2023年版 不動産情報サイト利用者意識アンケート」
売却査定依頼フォームを改善するポイント
3つの中でもっとも項目が多く、離脱が起きやすいフォームです。物件種別、所在地、面積、築年数、間取り、査定理由、売却希望時期。減らしたくても、査定に必要な情報は減らせません。
項目の多さと反響の質のバランスをとる
項目が多いと入力の手間が増えるだけでなく、住所や連絡先などの個人情報をどこまで伝えてよいのかという不安も生まれ、途中で離脱されやすくなります。
前述のとおり、査定と最初の連絡に本当に必要な項目に絞り込むことが重要です。それでも項目が多くなる場合は、入力を段階的に分けるという方法があります。物件情報 → 連絡先 のように段階を分け、現在の位置と残りのページ数を表示し、入力の終わりを見えるようにすることで、ユーザの入力の負担を軽減しましょう。あわせて、入力済みの内容が前の画面に戻っても消えないよう設計することが重要です。
検討段階の違う人が同じフォームに来る
売却査定フォームには「相場を知りたいだけ」の人と「すぐに売りたい」人の両方が来ます。前者にとって、いきなり詳細な住所や連絡先を求められるのは負担が大きいでしょう。
簡易査定と訪問査定を入口で分ける、あるいは住所は町名までで一度受け付けるといった設計で、心理的なハードルを下げられます。相場を知りたい段階の人を早い段階で取り込めれば、後々の売却相談につながります。
会員登録フォームを改善するポイント
登録するメリットが手前で伝わっているか
会員登録フォームで離脱する最大の理由は、項目の多さではなく「登録して何が得られるのかわからない」ことです。お気に入り物件の保存、新着物件の通知、非公開物件の閲覧。フォームの手前でこれを具体的に示せているか確認しましょう。
先に機能を使わせてから登録を促す
お気に入り登録などの機能を、未登録のまま試せるようにする方法があります。物件を保存しようとしたタイミングで「保存するには登録が必要です」と案内すれば、ユーザは登録の理由を実感した状態でフォームに向かいます。入口で登録を求めるより通過率は上がります。
既存会員が新規登録フォームに迷い込まないか
すでに登録済みのユーザが再訪したとき、ログイン画面にたどり着けず新規登録を試みてしまうケースがあります。「登録済みの方はこちら」の導線がわかりやすい位置にあるか、パスワードを忘れた場合の再設定がすぐ見つかるかを確認しましょう。
こんな状態に心当たりはありませんか?
- 売却査定フォームの項目を減らしたいが、査定に必要な情報はどうしても削れない
- 会員登録フォームでの離脱が多いが、登録するメリットが手前でユーザに伝わっているか検証できていない
前者は入力を段階的に分ける設計で、後者は登録メリットの見せ方や入力タイミングの見直しで、どちらもフォーム・ページ側の見直しだけで改善できる余地があります。気になる方はWebサイト・システムのご相談はこちらからお気軽にご相談ください。
改善できたかどうかを測る3つの指標
施策を打ったあと、効果を確認できないと次の判断ができません。見るべき指標は次の3つに分けて考えます。
| 指標 | 何がわかるか |
|---|---|
| フォーム到達率 | サイトを訪れた人のうち、フォームまで進んだ割合 |
| フォーム通過率 | フォームに到達した人のうち、送信を完了した割合 |
| 項目別の離脱率・エラー率 | どの入力欄でユーザが止まっているか |
GA4を使っている場合は、フォームページの表示回数と送信完了イベント(サンクスページの表示や送信ボタンのクリックなど)の発生数を比べれば、到達率・通過率の目安がわかります。イベントの計測方法はフォームの実装によって設定が変わるため、社内の担当者、または制作会社と相談しながら設定してください。
「問い合わせ数」だけを追っていると、原因の切り分けができません。フォームまで来ていないのであれば、フォームをいくら直しても数字は動きません。逆に到達率は高いのに通過率が低いのであれば、フォームの中に問題があります。
まずは到達率と通過率を分けて計測することから始めてみてください。
EFO改善で反響を取りこぼさないサイトにしよう
高い投資対効果を得るには、上記でご紹介した方法だけでなく、実際に効果が得られるかの裏付けをとったり、複数のパターンを比較検証しながら評価を行った上で、着実に改善対策を行うといいでしょう。
以下のような手法がおすすめです。
例)
- ユーザビリティ評価(実際にユーザに使ってもらい評価を確認する手法)
- A/Bテスト(同条件下で複数のパターンを比較検証する手法)
不動産業界に特化したWeb制作・システム開発会社 サービシンクでは、入力フォーム画面の改修はもちろん、Webサイト全体でのアクセス解析や効果測定、反響管理システムとの連携までを含めてご相談いただけます。
もし「過去にEFO対策として入力フォームの改善をしたが効果が出なかった」という方も、Webフォームに到達するまでのユーザ行動を分析し、しっかり効果測定をしながら施策を実行することで効果が出るかもしれません。
高い投資対効果を得られるよう、サービシンクがサポートいたします。
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