人事評価シートのシステム化で作業が10分→10秒に!改善事例をご紹介【業務効率化】
株式会社サービシンクは、Web制作会社としてのスキルを活かし、社内で使用する作業ツール・管理システムの構築も行っています。
煩雑な作業や管理が発生した仕組みも「システム化」「自動化」することで、大きな工数削減と業務効率化に繋がっています。ここ数年で開発した社内ツールの事例を、今後ご紹介していきたいと思います。
今回は「人事評価シートのシステム化」をご紹介!
サービシンクでは、Googleスプレッドシートで管理していた人事評価を2020年下期から「システム化」しました。この記事では、開発に至った背景や結果などをご紹介します。
本内容をお読み頂き「工数圧迫して困っている管理をシステム化したい!」と思われた方は
ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。
目次
- なぜシステム化する必要があったのか
- システムを自社開発するメリット
- システム化案件の問題と課題
- 結果、評価シートの生成時間は10秒未満!大幅な業務効率化を達成
- 全員で「成果がでるサービス」を考える
- Serviceをthinkする会社「サービシンク」
なぜシステム化する必要があったのか
サービシンクでは人事評価シートを「Googleスプレッドシート」で運用していました。
上半期・下半期で評価を行うため、次の期がくるたびに前期のシートをもとに全社員分を複製し…という、非常に時間がかかる作業を行っていたのです。
また、弊社の人事評価シートには、立場において編集OKな項目とNGな項目が存在します。
例:被評価者(社員)に与える編集権限
- 編集OK:自身の行動目標、中間レビュー、最終レビュー、自己評点
- 編集NG:レビューに対する上長からのフィードバック、上長評点、最終評点
スプレッドシートの特定のマスに編集権限の制限をかけるのですが、これではどうしても「権限の編集不備や保護漏れ」といったヒューマンエラーが発生してしまいます。
勿論、社員を信じていない訳ではなく、仮に編集NGの部分が編集出来てしまったとしても悪意を持って編集をする社員がいるとは1ミリも思っていません!
…が、プライベート性のある人事評価シートが「意図せぬ編集が出来てしまう設計」であるのはやはり問題です。悩んでいる間に社員も30名に差し掛かり、限界が来てしまいました。
そこで、編集作業を共に行っている総務のマネージャーから「システム化するのはどうか?」という話が上がり、具体的に検討を進めることになったのです。
システムを自社開発するメリット
実は、開発にあたり、SaaS(サース)を使う事も選択肢にありました。
SaaS(サース)とはソフトウェアの機能をネットワークを通して提供する方法。店頭で販売されているソフトウェアは、すべての機能を一括して購入していることになるが、SaaSではソフトウェアはサーバー側で動作し、ユーザーは必要な機能を選んで購入できる。(コトバンク)
SaaSで提供されている人事評価システムを調査してみると、社員1名につき数千円程度のコストで導入ができるものも多く存在しました。
「SaaSも機能が充実しているのではないか?」
「人数が増えれば増えるほどコストパフォーマンスが上がるのではないか?」
と考えもしたのですが、トライアルでいくつかHR系のSaaSを使ってみた結果、
- 自社の評価制度に合わせてカスタマイズをしたいが、細かな変更調整が出来ない
- 「使わない・使い切れない機能」が多い
といった「SaaSは大手企業からベンチャー企業まで大小関係なく設計されているサービスが多い」という印象を受けました。
自社の状態を鑑みて、SaaSの活用は最適ではないと判断し、課題に合わせた開発が可能な自社開発(サービシンク開発)に踏み切りました。
システム化案件の問題と課題
今回のシステム化案件の問題と課題を整理します。
- 半期ごとに、人事が一人で社員数分の評価シートを複製・個別調整と編集権限設定をしているため作業工数が嵩む
- 手作業で社員一人ひとりのシートに調整・編集可能部分の設定を行なっているため、ヒューマンエラーが頻発する
- ヒューマンエラーの対処にまた工数をとられる
- 運用コストが嵩みすぎる
- 人事・管理部の運用コスト削減(業務効率化)
そして、これに対してとった解決策はこちらです。
- 社員情報管理システムを構築し、評価シートを自動生成できるようにする
- 評価シートの承認フローを構築し、承認フローごとに編集可能な情報を制限する
- 必要な機能のみ搭載する
以下に詳細を説明します。
1.社員情報管理システムを構築し、評価シートを自動生成できるようにする
個別の評価シートの生成において発生するヒューマンエラーを減らすには、
「可能な限りの工程を自動化させ、情報も一元管理されていることが重要」と考え、
【社員情報管理システム】を構築。スプレッドシートで管理されていた社員の評価情報を移設しました。
「社員情報管理システム」では、以下の情報を登録管理させます。
- 社員ごとに所属事業部や職種、評価グレードなど
- 職種や評価グレードごとの共通評価項目
評価シートを生成する際にこれらの情報を自動連携させることで、
これまで都度コピペか手作業で入力していた作業をまるまるカットすることができます。
続いて、評価シートを生成する【評価シート作成機能】を構築しました。
「評価シート作成機能」では、以下の項目を設定するだけで、評価シートが自動生成されます。
- 被評価者(評価される社員)
- 評価者(基本的に上司・社長)
- 評価期間
2.評価シートの承認フローを構築し、承認フローごとに編集可能な情報を制限する
サービシンクの既存の評価シートには、
「評価者(上司)が入力更新できる情報」と、「被評価者(社員)が入力更新できる情報」が存在します。
というのも、評価シート作成 → 目標設定記入 → 中間レビュー → 最終レビュー → 確定 の流れで評価が進むためです。
しかし、この編集制限をGoogleスプレッドシートに設定するのが非常に面倒で、ヒューマンエラーが起きやすい点でもありました。
これを解決するため【承認フロー】を構築。
承認フローごとに「編集できるユーザと編集可能な情報を自動制御」することで、編集制限を評価シートに反映する作業をまるっとカットしました。
承認フローは、ステータス管理もしやすくなるほか、入力する側(ユーザ)も入力しなければならない項目が分かりやすくなり、メリットが多いです。
3. 必要な機能のみ搭載する
例えば、機能や項目が充実しているようなサービスを複数人で使用する時、
最初に決まりを決めても徐々に勝手な機能や項目を使いだす人が現れ、管理が破綻することはありませんか?
しかし「使わない・使われない」機能を排除し、必要な機能だけを搭載すると、前述のような【属人化】が進みにくくなります。
今回構築した「評価シート管理機能」ならば、評価者と評価期間の設定しか存在しないため、誰が行っても同じ操作・結果となります。
また、【運用面】でもメリットがあります。
システムに改修を加える場合、影響範囲等のチェックを必ず行います。大規模システムの場合、設計・実装・テスト、どのフェーズにおいても考慮すべき事項が増えるため、どうしてもスピードが落ちてしまいます。
搭載機能が必要最低限に絞られているほど、機能追加や細かな修正の際に迅速に対応することができるのです。
結果、評価シートの生成時間は10秒未満!大幅な業務効率化を達成
すばらしいスピードです!
これまではどう頑張っても1シートあたり5-10分かかっていたものが、一瞬で生成できるようになりました。大幅な業務効率化です。
人事の声
システム化によって業務効率化・コスト削減が出来ました。
実際に評価シートを作成しましたが、使い道のない不要な機能がなく、必要な機能のみが搭載されているので非常に分かりやすかったです。また、細かい修正やバグにも柔軟に対応して貰えるので、運用している側としても進めやすいです。
全員で「成果がでるサービス」を考える
今回のシステム開発をスタートするにあたり、キックオフ等は行いませんでした。
Slack(チームコミュニケーションツール)で必要に応じて数回のやり取りをした程度です。
既存の評価シートや管理の仕組みがベースにあったため、どのように業務効率化するかという解決策からエンジニアの方で考え実装しました。
サービシンクは、全員で「成果がでるサービス」を考えます
サービシンクの多くの案件がお客様からの直請けであり「お客様との距離」が非常に近いです。
そして【お客様と一緒に戦略を考え、企画に落とし、実装する】というスタイルを大切にしています。
そのため「何のために、誰の為につくるか?」を職種関係なく考える癖が付いており、自主的に成果に直結する解決策を考え、スピード感を持って実装することができます。
社内業務の効率化・システム化について、ぜひご相談ください!
業務効率を改善したい、運用コストを削減したい、といった課題への解決策をご提案いたします。相談内容は大小問わず構いません。ぜひお気軽にお問い合わせください。対面・非対面問わず、お客様のご状況に合わせて対応致します。
今回の自社内開発とは別にサービシンクでは「サービシンク総研」といった形で新規事業を開発する活動も行っています。例えば、外部アプリケーションをSlackと連動させて「一定の数値まで二酸化炭素がフロアに溜まると、社内換気を促す装置」を開発したり、「会議室の空室状況がひと目で分かる受付システム」を開発し活用しました。活動の詳細が分かる記事をぜひご覧ください。
新規事業開発チーム「サービシンク総研」
- [サービシンク総研]室内360度動画撮影チャレンジ vol.1「360度動画を撮影するためのカメラ選定」編
- [サービシンク総研]室内360度動画撮影チャレンジ vol.2「360度動画を撮影するためのラジコン選定」編
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わたしたちサービシンクは25年以上に渡って数々のWeb制作を手掛けてきた、「問い合わせアップ」に強いWeb制作会社です。東京都内でも、マーケティングから戦略策定、Webサイト・ホームページ制作・システム開発、運用保守、さらにはABテストといったCROに至るまで幅広くご支援ができるWeb制作会社は多くありません。
✔ 不動産業界に強み なかでも不動産業界に造詣が深く、不動産ポータルから中〜大手不動産会社、地場の不動産会社までおよそ不動産業界のあらゆるサイトを手がけてきました。「不動産特化」のWeb制作会社として、うれしいご評価を頂いております。
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